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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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ほのさん、「自信をつける」の巻 その1

気が付けば師走。

ついこの間、不安げに小学校に入学したと思っていのに、
瞬く間に1年が終わろうとしています。

夏が終わり、秋がきても、
ほのさんの充実した毎日は続きました。



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毎年恒例の、お月見団子作り、
今年は授業で先生と一緒に。

ポイントは、白玉粉にお豆腐を混ぜたこと。


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あんこではなく、みたらしで。



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家族でおでかけ。
そとでたべるごはんは、やっぱりなんか おいしいな。
とうさんかあさんは、ちゃーはんかあ。へえー。

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おでかけで買ってもらったおよふく着てうける授業は、
なんか気合いはいるうー。

がんばって体を動かしているので、入学してからずいぶんと
からだが柔らかくなったよ。


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なんだかふしぎなかみ、でんぐり とかいうので
ハロウインのかざりもつくったよ。

はやく あたしに やらせてよー



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できあがり。
かぼちゃのおばけらしいよ。
よくできたん。


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前期の終わり、はじめての「あゆみ」をもらいました。
かあさん、ちょっと緊張。
ほのさんの「1年生」前期は、どんなふうに評されるのかしらん。

細かいプランに対して、どのように取り組んできたか、
ひとつひとつ丁寧に記述してあって、
「あゆみ」というその名の通り、
前期を通してどんな授業をして、どんな様子で取り組んできたかがよくわかる内容だった。

だから、それを読んで、ひとつひとつのお勉強を思い出しては、
遠い目をしては、微笑んでしまったよ。

総合所見には、

「4月に入学し、週3回の訪問授業がスタート。
毎日忙しいほのかさんですが、これで1週間のスケジュールがいっぱいになりました。
にもかかわらず毎回の授業ではいつも全力投球でがんばっていましたね」

「スクーリングの時にはとくに張り切って、
夜も眠れないくらい楽しみにしていました。
学校が大好きでお友だちに会うのを心待ちにしていたほのかさん。
でも、夜は早く寝る、という宿題をきちんと守って
早く寝ることもできるようになりました。

1年生ってすごいですね。
立派な1年生のスタートを切ることができたと思います」

などと担任の先生が書いてくださり、
かあさんは、うれしくてうれしくて、何度もなんども読み返しました。

授業でいろんな活動ができたこともそうだけど、
大好きな授業をものすごく楽しみにしているようで、
授業に備えてちゃんと夜は眠るようになったし、
備えすぎて、午後からの授業のために午前中はほとんどしゃべらず、
体力温存?したり……
スクーリングや行事に合わせて、
崩した体調もちゃあんと調整して絶好調で臨むあたり、
本当に感動もの。

生活のリズムがつくこと、
見通しをもって行動したり、
予定にあわせて調整したり、
小さな子にはむつかしいことを、
(場合によってはオトナでも難しいこと)
ちゃあんと身につけてくれました。
そんなこと、教えたわけではないのにね。
きっと教えたって、できないんだろうね。

学校って、すごい!


訪問の授業では、先生に心配されるくらい元気いっぱいにお返事できても、
登校したときにはだんまりをきめていた最初の頃に比べて、
だんだん素をだせるようにもなり、
緊張よりも、お友だちに会える楽しさ嬉しさが勝るようになってきた様子は、
こちらまでウキウキしました。

彼女のセカイがどんどんどんどん広がって、
以前にもまして生き生きとし、
そんな楽しい経験を、
関わってくださっている方たちに、
あのね、こうでね、こうでね、と報告する様子、

ほのさん、がっこう、いってきた?どうだった?たのしかった?と聞かれて
ふん、ふん、ふーん!
と弾んだ声でお話しする様子をみて、
みなさんがその喜びをわかちあってくださるのもまた幸せで。

お返事や、イエスやノーの意思表示も
以前よりもはっきりして、ほのさんの考えてることが
わかりやすくなったね、と言われるようにもなりました。

ほのさんも、とうさんもかあさんも、
これまで、ここまでほのさんを大きくしてくれてきたみなさんも、
嬉しくて胸がいっぱいになりながら、終わった前期。




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ほのさんの、はじめての学校生活に、
かあさんも、自分が思っている以上に気が張っていたのか、
後期がはじまってすぐに、
かあさんが!救急搬送されるというお恥ずかしい事態に……

とうさんとほのさんをおうちに残し、
マブに付き添われながら、
半べそ(いや多分、大泣き)で担架で担ぎ出される絵は、
今でこそ思い出して笑えますが。

いやもうそりゃ、この世の終わりみたいな気分で。
自分も入院、ほのさんも強制的に入院、
んで、ほのさんは生きる気力を失くしてガタガタと体調崩し……
みたいなサイアクな状況を思い浮かべるも、
かあさんは点滴、自宅療養でなんとか切り抜け。

ヘルパーさん、訪問看護師さん、OTさんなどに
たくさん来てもらって、ほのさんが元気に過ごしている間に、
かあさんもなんとか復活できますた。

自分では全然、無理しているつもりもなかったし、
もっと休んだ方がいいよ、というアドバイスにも、
休み休みやってるからだいじょうぶー、なんて思ってて。

というより、ほのさんの在宅生活ももうすぐ7年。

ほのさんが成長するに伴って、
ケア時間は以前よりとても多くはなっているんだけど、
ほのさんの「ケア」というものが、
かあさんにとっていわゆる「ケア」でなくなっているというか、
ほのさんの生活の「あたりまえ」をあたりまえにしている感じで、
そのあたりまえ加減が、実は自分自身の「キャパ越え」していることを
気付かなくしていたところもあり。

かあさんが倒れる、という一番やってはいけないことをしてしまい、
もうこれは生活を見直す以外なく、
在宅生活始まって以来、
居宅サービスの時間数を増やしていただくことにしたのです。

例えば、ある日のスケジュール。

午前2時半起床、(2時半までは、とうさんがみていてくれます)
ほのさんの傍らで仮眠しつつ、30分から40分ごとに
吸引、体位交換を繰り返し、
間に午前4時、用手排尿、がっつり排痰&吸引、水分補給をし、
午前6時、再び用手排尿、カフアシスト、注入開始。

それと共にかあさんも本格的に活動開始。
ベーグルかじって、自分の漢方煎じて、
掃除、洗濯、
約1時半かけての渾身の痰とり、
美顔蒸しタオルして、目薬つけて、
歯磨き、口腔ケア、
ジュース飲ませて、
そうこうする間に午前10時、ヘルパーさん到着。

お体清拭、物品の補充、用手排尿、吸引、見守りなど
長い日は午後1時まで。

1時半には訪問授業開始。
3時まで一緒に楽しくお勉強。

終わるころ、ヘルパ-さん到着。

カフアシストなど済ませて、
17時半までほのさんをお任せ。

その間に、家事、夕飯準備。
それらのことに「専念」できることの素晴らしさといったら!

それまで、ほのさんの変化に気を付けながら、
時々はほのさんの方からも、ちょとかあさん!とお呼びがかかり、
決まった時間のケアもしながら、
とうさん帰宅までに家の中を整えて、
夕飯の下ごしらえをしていたのだが。

一旦、その「ながら作業」を離れてみると、
これがどんなに疲れることだったのかとびっくりした。

夕方のこの時間、
ほのさんは便意がでてくる時間でもあり、
力みがちになって換気量が落ち、
サチュレーションも下げ気味になる頃で、
とても注意が必要なのだが、

その上、2時半起床の身にとっては、
なんとなく眠気が出てくる頃でもあり。

当然いつでも、ほのさんのことが優先となれば、
夕飯の支度がやっぱりどうしてもおろそか、というか
気持ち的に投げやりになってしまっていたのです。

それが、ヘルパーーさんにがっつりほのさんを見ててもらえると、
こちらはなんと気持ちが楽なことか。

この時間を利用して、仮眠をとることもできて、
以前の生活に比べて、体も断然楽になりました。
(いまさらですが)「休む」って、こういうことか、と思い知ったわけです……。

担架に乗せられて玄関を出るときに、
リビングから聞こえてきた、悲痛なほのさんの声を、
これからはいつも頭の片隅に置いて、
おまじないのように「むりしない、むりしない」、
ほのさんにあんな思い、「もうさせない、にどとさせない」と呟く日々です。

あとは、ほのさんのケアを担って、
安心してお任せできるヘルパ-さんを増やすことが(長年の)課題です。




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ほのさんは、もちろん倒れたかあさんのことも心配してくれていましたが、
もうひとつ、大きな心配事がありました。

ほのさん、動物園への初めての遠足が迫っていたのですが、
かあさんは、うちのなかをふらふらと杖をついて歩いてる。
これじゃあ、えんそくどころじゃないのかな……

ほのさんがものすごく遠足のことを心配していることを知りつつ、
体調が100パー回復しないうちに、
「いこうね」とは言えん。
ここで無理はできん。
しかし、どうしても連れて行きたい……。

遠足までのカウントダウンに入っても、
なんだかかあさんの体力は戻らず、
もう目の前真っ暗になっていたのですが、
ちょうど2日前の午後、急激にピンピンとしてきて、
なんとかなんとか初遠足にこぎつけたとです!




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平日の動物園は、秋の遠足の子どもたちであふれておりました。

薄い長そででも汗ばむくらいの日ざしは、
ほのさんにとっては強い味方。

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たくさんの動物をみて回って。


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クラスのお友だちたちは、いくつか乗り物に乗ったようで、
それを聞いただけでなんだか嬉しくて、
ほのさんが乗れそうな乗り物はどうやらなさそうだったけど、
また来年のおたのしみでもいいかなあ、なんて思っていたら。


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はずれの方にあったメリーゴーランドの前で先生が、

はい、ほのさん、これ、のります!

って!!!


乗り物はまた来年モードだったとうさんかあさんは、
えーっと……ととっさに焦ったものの、
先輩Kくんがあれよあれよと抱っこされて乗せられて、
楽しそうに回って帰ってきたのを見て、
よっしゃ!
ということで。



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じやーん!

ついに乗り物デビューしてしまいました。

初メリーゴーランド!


先生のお膝の上で超ごきげん!

ポジショニングを整えて、毛布をかけて、
モニターをつけて、
かあさんが隣りでバギング。

準備が整うまで、ほのさんはかなーりというか、
これまで見たこともないようなそれはもうイイお顔をしていたのだけど、
いざ、メリーゴーランドが回りだすと、
次第にまだらに顔が赤くなってきて、
しまいには真っ赤になりながら、両目から涙!

ほのさんが乗ってる!という事実があまりにも嬉しくて、
考えてみればこの乗り物がこのあとどんなふうに動くのかとか、
ほのさんに何にも説明していなかったし、
驚いて泣いてしまっても当然だ。

いや、たとえ丁寧に説明したとしたって、
驚くいてしまうのが、
はじめての乗り物ってもんだ!

ほのさんがそうしてあまりにも正しい「初体験」をしたことが、
どうにもこうにも嬉しくて。
うえーんってなってるほのさんを見ながらみんなで笑ったのでした。

この頃では、とうさんとかあさんとほのさんで、
ちょっと遠くへおでかけなんかもできるようになっているけど、
3人ではどうしたって、
ほのさんを乗り物に乗せようなんて言う考えは浮かぶことはなかったなあ。

諦めていたというよりは、
「乗せる」という考え自体が浮かばなかったというか。

それでも、先生が「ほのさん、のるよ」と、
あまりにも潔く軽やかに言ってくださるもので、
ほのさんにくっついている機械のあれこれの存在は、
それはもうどうにでも工夫してできるもので、

「重度だから無理」
「呼吸器だから無理」

というような、小学校入学以前について回っていた、
どうしようもない、「本人以外」、「周囲」の「言い訳」が、
先生の勇気と行動力と愛情によって、
一瞬に消え去った瞬間だったのです。

ほのさんの「初体験」は、半べそに終わったけれど、
メリーゴーランドの馬車の上で、
先生のお膝に乗った時のほのさんのあの晴れやかでキラキラしたお顔は、
なんて言うかな、「本来の」ほのさん、を見たようで、
一人の、こどもらしい、とてもとてもこどもらしい輝きを放っていました。



つづく

  






 
# by honohono1017 | 2014-12-15 22:01

いのちに感謝の、7歳。

10月17日
ほのさん、7回目のお誕生日。

7歳になったのです。

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NICUで、お宮参り気分。
青っ白くて、弱々しくて、かわいくて。


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おうちであたたかくお祝いした、3歳。
まだちょこんと、かあさんのお膝に乗って、
おすまししてた。


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そして迎えた7歳。
堂々と、健やかに輝いて。



いつも見守ってくださるみなさまに
心から感謝して。

与えられたいのちに、感謝して。
# by honohono1017 | 2014-10-17 17:18

晩夏、お祭りで生まれた友情の巻。

8月30日、ほのさん待ちにまったマンションの夏祭り。

昨年の夏、初めて行った時には、
賑わう人たちの声、太鼓の音などに
少しびっくりした様子で、
着いた途端、緊張のあまりおしっこしたくなってた(笑)

でも今年は2度目だし、
先月には学校の夏祭りにも参加して
お祭りの楽しさを存分に味わっていたし、
学校の授業でかき氷を作って食べたので、
今度はマンションのお祭りでかき氷を買って食べてみたい、
という具体的な楽しみもあり。

半日の仕事を終えたとうさんの帰りを待って、
バギーに乗る支度を始めた頃には、
ほのさんは待ちきれずフーンフーン!と
鼻息荒くしていた。

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早々と猛暑が一時退散していたとはいえ、
まだまだ日差しは強い。

会場に着くと、近くの中学校のブラスバンド演奏が始まっていた。

お祭りにふさわしい華やかな楽器の音、
たくさんの子どもたちの声に、
今年のほのさんは、
少し怖くてバギーの中に潜り込むような様子もなく、
かあさんかあさん、とすり寄ってくるような素振りもなかった。

学校生活、たくさんの経験が、
ほのさんを逞しくしていた。



お祭り会場はすごい盛況振り。

大きなほのさんのバギーでは簡単に身動きが取れないほど。

お目当てのかき氷屋さんに、
さてどうやって行ってみようかとしばし公園の前で立ち止まる。

すると、ほのさんの親友Hちゃんのおばあちゃんが、
ほの家の姿を見つけて来てくれた。

いつもは夕飯を届けてくれたり、
ほのさんのお顔を見に来てくれたり、
本当にいつも助けて頂いているのだけど、
おうちの中でお会いすることばかりだったので、
こうしてお日さまの下、楽しいお祭りでお会いしてお話するのは、
特別な嬉しさもあり、
いつも助けて頂いているおかげだとあらためて感謝の気持ちが湧く。


少しすると、小さな女の子2人組みが
ほのさんのバギーに近寄って来て、

びょうきなの?

とかあさんにたずねてきた。

かあさんは、

びょうきじゃないのよ、げんきなんだよ。

と答えると、

じゃあどうしたの?
なおるの?

と矢継ぎ早に質問しながら、
ほのさんの顔の横まで来た。


こういう質問にこたえるのは、むつかしい。

まして、医学的な難しい説明を抜きにして、
ほのさんは、ずっとこの状態であること、
この状態がほのさんの”元気”な状態であること、
それはかわいそうなことではないということ、
みんなとお友だちになれるということ、
それらのことを子どもにわかるように、
ちゃあんと説明することは、
何度聞かれても、むつかしい。

かあさんは、子どもが苦手だ(小声)。

嫌いなんじゃない。

子どもの、鋭い感性、
つまらないことに捉われないモノの見方、
まっすぐな瞳、
それらに接すると自分のつまらなさとかが急に感じられて情けなくなり、
そんなことも含めて全部、見透かされているような気がして、
そう思うと”子ども扱い”などはもちろんできないし、
子どもと接する時は、妙に内心、たじろいでしまう。

まして、ほのさんにはきょうだいがいないから、
子どもと接する機会も少ないし、
この年頃の子がどんな風なのかもわからない。


それでも、そんなかあさんの拙い説明を聞いた2人は、

ふーん、そうなんだ

と言って、しばらく話すと去って行った。

わかったのかな、
わからなかったのかな、
わかったのかもしれないな、
わかってくれたらいいな...






ブラスバンド演奏が終わると、会場が少し空いた。

今がチャンス!とばかりに、
ほのさんお目当てのかき氷屋さんを目指す。

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何味にする?

とおじさんに聞かれ、

ほのさん、本当は練乳ってヤツを試してみたかったんだけど。

残念ながらメニューになくて。

ブルーハワイは授業で経験済みだったので、
そこはオーソドックスにいちご味に。

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れんにゅうが よかったー!

と言ったのか、
それともいちご味がお気に召さなかったのか、
氷ひとかけら、舌に乗せるやいなや、
舌をブルルッとふるわせて、吹いたほのさん...

おかげて口の周りやのど元の呼吸器回路がピンクに染まり(笑)

こうしてほのさんのお楽しみ、お祭りdeかき氷は予想外の展開を見せて終わった。



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舞台ではフラダンスが始まって、
見やすい元の場所に戻った。

するとまた先ほどの女の子2人組みが来て、

地震の時はどうするの?

寝る時はお母さんと一緒?

など、また新しい質問をしてきたと思ったら、

なおるの?

と、また同じ質問を繰り返した。

治るかどうかということが、
やっぱり一番気になるようだ。

治ればいいな、と思ってくれているのかもしれない。

なおらないんだよ。
このままの状態だけど、
大きくなってるし、
できることもたくさんあるんだよ。

そうこたえた。

2人に歳を聞いてみると、
なんと!ほのさんと同じ1年生だという。

ほんとー⁈ ほのさんも1年生なのよ!
おんなじたね!

妙に嬉しかった。

ほのさんと、同級生。
もしほのさんが支援学校ではなくて、
近くの小学校に通っていたとしたら、
この子たちと手を繋いで通っていたかもしれない。
放課後、一緒に遊んでいたかもしれない。

そんな子たちと知り合えて嬉しかった反面、
もっと地域でたくさんお友だちを作らせてやりたい、
たくさん遊ばせてやりたい、
そんな気持ちになった。





すると今度は一人のご婦人に名前を呼ばれた。

振り返ると、知らない方だったが、
ほのさんの名前も、
我が家の部屋番号もご存知で、
聞けばこのマンションの民生委員をしていらっしゃるとのこと。

我が家とは違う棟の担当だということだが、
困った時にはなんでも言ってちょうだいね、
みんながいるから、心配しないでね、
とほのさんに優しく話しかけてくださった。

そして、お祭りに来てくれてありがとう、
涙が出るほど嬉しいわ、
と何度も何度もおっしゃった。

子どもがお祭りを楽しみにすること、
親が、そんな子どもを連れてお祭りに行って一緒に楽しむことは、
本当に当たり前のことなのだが、
ほのさんがお祭りに参加したことを、
こんな風に喜んでくださって本当に嬉しかったし、
こういう方が近くにいて下さることで、
我が家はどんなに心強いことか。


民生委員さんが立ち去るのを待ってましたとばかりに、
またあの女の子たちが来た。

また、なおるの?と聞いてくるかしらん、
と思ったら今度は、

ほのかちゃん、ビンゴやる?

と言ってきた(笑)

(お祭りの一番最後にビンゴ大会があります)

あまりにフツーに、

ほのかちゃん

と呼んでくれたこと、

ビンゴやる?

というあまりに唐突な質問、
可愛らしい質問に、
なんだかものすごーく嬉しくなって。

ほのさんね、寒がりだから、
夜のビンゴまではいられないかな。

そっか、さむがりなの。

あ、このタオル、あたしももってる!

あ、この人形かわいいね。
あたしはね、くまさんと、○○と○○の
人形もってるよー。

ほのかちゃんのリボン、かわいい!


と、ひじょーに女子な会話がはずみ。

すると、

あ、ほのかちゃん、いまおはなしした!

うん、いま、歯のところも動いてた!

と、嬉しくてうーんうーんとお話してるほのさんの声、
よく聞いてないとお祭りの音にかき消されてもおかしくない、ほのさんの声を、
ちゃあんと聞いてくれたのだ!

ほのさんの声が届いた!

そう思うと、かあさんはもう小躍りしたくなるほどだった。

ほのさんも2人に自分の声が届いたことが嬉しかったのか、
うんうーん、とおしゃべりを続けていた。


もうかあさんは、お役御免。
説明や通訳はいらないな、と思った。

子どもたちはこうやって友だちになっていくんだなあって、
感激した。



ほのさんが聴いてみたかったオカリナ演奏も終わり、
夕方の風も一層涼しくなってきたので、
そろそろ帰ろうか、と相談していると、
また女の子2人組みが、

ほのかちゃん、ビンゴやる?

と再び(笑)

あのね、涼しくなってきたから、
そろそろ帰ろうと思ってたのよ。

と言うと、
少し残念そうな顔をするので、

じゃあ、握手してみてくれる?

とお願いしてみると、

えー?できるの?
ほのかちゃん、手あるの?

と。

きっと、たくさんの掛け物にくるまれてバギーに乗っているなら、
ほのさんのカラダが一体どうなってるんだろう???
と、はてながいっぱいだったんだろう。

やだ〜手、あるよ〜。みんなと一緒だよ〜。

と笑いながら、ほのさんの手を出すと、2人は、

うわ〜、ほのかちゃんの手、おっきい!

と言って、そおっとほのさんの手を撫でてくれた。


もっと遊ばせていてあげたいなあと思いつつ、
そろそろ帰らなきゃ。

すると、

帰る時、これ押して行くの?

とほのさんのバギーを見て言うので、

そうよ。そろそろ帰らなきゃいけないんだけど、
押してみる?

と言うと、2人並んでほのさんのバギーを押してくれた。


その光景を後ろから見ていて、
かあさんは本当に嬉しかった。

ほのさんが、ご近所で初めてお友だちを作れたこと。

お友だちがとても素直に、ほのさんのありのままを受け入れてくれたこと。

ごく自然にバギーを押して、ほのさんを助けてくれたこと。

そんな優しい2人が、たまたまほのさんと同級生だったこと。


なんだか、お祭りでの、
思ってもみなかった嬉しい出来事に、
ほの家の心は踊った。


公園の外まで一生懸命に2人してバギーを押してくれて、
きっとほのさんも後ろ髪引かれる思いだったろうが、
いよいよ、バイバイ。

すると2人が、

ほのかちゃん、また来年お祭りで!

と言ってくれた。


すご〜く嬉しかった反面、
1年に1回しか会えないんじゃ淋しいなあ、
なんとかもっと遊ばせてあげたいなあ、
と少し切なくなってしまった。




お家で過ごしたい、地域で暮らしたいと、
生後9ヶ月のほのさんを初めて連れて帰ってから、
本当にほんとうに色々なことがあった。

お家の中で起こること、慣れないほのさんのお世話で精一杯だった日々、
だんだんと、とうさんにほのさんを任せて買い物に出られるようになり、
たくさんの方たちの訪問を受けながら生活が回り出した。

お家での生活に慣れ、たくさんお出かけもできるようになり、
幼稚園のようなところに通いたいと願った頃。

今のマンションに引越しし、心新たに始まった生活。

越してきたばかりの頃は、お祭りがあることも知らず、
太鼓の音が耳に入る余裕が出来ても、
自分たち家族には関係ないイベントのように感じていた3年前。

色々なことに興味が出てきて、体も徐々に強くなって、
ほのさんが、”おまつりに いってみたい”と言い出した2年前。

そうして期待と不安が入り混じった気持ちで、
お祭りデビューした去年。

今年はお祭りに参加しただけではなく、
お友だちまでできた。



”地域で暮らす”と一口に言っても、
ほんとうに、”だんだんに”だ。
本人の気持ちも体調も、環境も。

”だんだん”変化してきたこと、
その一つひとつは小さな一歩だけれど、
まだ赤ちゃんだたほのさんを連れて帰ったあの日、
この子が小学校にあがって、
近所のお祭りで新しいお友だちを作る日が来るなんて、
全く想像できなかったことを考えれば、
ほのさんは着実に前に進んでいる。

ほのさんはお家に帰っただけで、
ちっとも”地域”で暮らしてはいない、
なんて思ってた頃もあったけれど、
ほのさんは”わがや”を中心に、
”学校” ”寄り道するイオン” ”とうさんとかあさんがコーヒーを買うコンビニ”
”お友だちのお家” ”お友だちの通う学校”、
という風に、
白紙だった地図に色々な場所が書き込まれて、
ほのさんのセカイは広がっていくんだ。

それが、”地域で暮らす”ということなんだ。



晩夏、お祭りで生まれた友情は、
ほのさんの地図を虹色に彩った。
# by honohono1017 | 2014-09-02 09:41

ほのさんの充実ライフ、の巻

まったくもってご無沙汰いたしました。

ほのさんがめでたく小学生になり、
訪問の授業にも慣れ、
学校行事やスクーリングにもコンスタントに参加し、
途中、かなり体調を崩すこともあって、でもなんとか乗り切り、
ようやく(かあさんが)待ちに待った夏休み。

大好きな学校がお休みになってほのさん、
さぞ退屈するだろうと思ってたけど、
そこは初めての夏休み。
毎日、せっせとはりきって宿題をし、
それなりに楽しんでおります。



夏休みまでのほのさんを、少し振り返り。



入学式後、初めての登校は、
生徒会主催の新入生歓迎の全校集会。

壇上に上がった小学部1年生が1人ずつ紹介され、
その後、小学部から高等部までの在校生たちが作る花道を通る、という段取り。

9人の新入生たちがさささっと花道を通って退場するイメージだったんだけど、
実際はなんとも熱烈な歓迎&濃厚な触れ合いタイム。

在校生のお兄さんお姉さんたちが、
僕も私も!と手を伸ばして新入生と握手しようと嬉しそうな笑顔、笑顔。

担任の先生にバギーを押されながら花道をゆっくり進み、
今まで聞いたこともないような賑やかであたたかい声援を聞き、
たくさんのお友だちと戸惑いながら触れ合うほのさんの様子を、
とうさんと一緒に花道の外から見守っていて、
ああ、ほのさんホントに小学生になったんだなという実感と、
たくさんのお友だちに囲まれている我が子の初めて見る姿に感激の涙が溢れた。


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そして、クラスに貼られた”みんなのもくひょう”が
あまりに素晴らしくて。
1年生にはどれも本当に大切な目標だなあとしみじみ。


訪問の授業もなんとも盛りだくさん!

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担任のK先生ともすぐに仲良しになって、
生まれて初めてあぐら坐位に挑戦。

椅子に座るのとは全然違って、
”じぶんのからだ”を感じる素晴らしい体験に。

自分のからだの重みを感じ、
先生に身を委ねながら見る景色は、
これまでと相当違っていたようで。

このあとしばらくドキドキがおさまらず、
あたまがぽっぽぽっぽと熱っぽく、
寒がりのほのさん、初めてアイシングしました。

先生といっしょにお座りするほのさんの、
ちょっと緊張しながらも感覚を研ぎ澄ませる様子、
横になっている時とは違い、
頬の肉が重力で落ち、いつもよりスッとしたほのさんのお顔を見て、
バギングしながら目頭が熱くなりました。



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鯉のぼりを作ったり、

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手にいーっぱい糊をつけて
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色づけした和紙を丸めてできたのは...
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紫陽花とほのかたつむり!


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母の日には、一生懸命フルーチェを作ってくれました。

牛乳を入れてかき混ぜているとだんだん重くなってくることを感じていました。

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これまた手作りの手形ランチョンマットを敷いて
とうさんと頂いたフルーチェの美味しかったこと!


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なにこれ...へんなにおい!のこんにゃくや、
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おとうふを思いっきり!

それから、
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茄子やゴーヤ、いろんな野菜を触って、

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野菜スタンプをおした暑中見舞い、
おじいちゃん、おばあちゃんに出したり。


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初めてのボールプールは...

せ、せんせい、ちょっとあたしには
ちっさいみたい(笑)

で、先生、次は...
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こんなステキなクッションチェアと共に
ひろーいボールプール!

かあさんが、
しゃちょういす、みたいだって。

先生はいつも大荷物で、授業の準備をしてきてくれます。


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からだもたくさん動かします。

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あたしにとって、
からだを うごかすことは
すごおく だいじ。

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腕が上がればこんなふうに
かき氷を作ることもできるさし、

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学校の夏祭りの”的入れ”で
ボールを上手に入れることもできて、

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こんな風に背中をユラユラしてもらえば、
痰もたくさん上がります。



ちなみに、2回目のかき氷作り。
ほのさん、大好きなヤクルトをかけて
食べてみよう!
と大張り切りだったんだけど。

ふーんふーん言いながら一生懸命作って、
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冷たい氷もがんばって触ってみたりしたけど、

すご〜く楽しみだったそのお味、
氷でヤクルトが薄まってしまい、
ビミョーだったらしく、
ふた口食べてから、
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無言になって、
先生の用意して下さったカイロを握りしめ、
ひたすら手をあたためてました(笑)


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いろんな楽器の音を聴いたり
演奏したりしながら、
歌うのも大好き。

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もちろん、本を読むのも好きです。
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この日は、本の中からぞうさんが飛び出してきたよ!

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それから、一大イベントの運動集会!

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障害物走の、坂滑りの練習や、

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ガタガタ道の練習を、
繰り返し繰り返しがんばって、
その甲斐あって、本番も大成功!

かあさんはバギングしたり、
バギーの乗り降り介助のため
一緒に参加したため、
ほのさんと先生と3人でそれはもう必死だったから、
なんだかあっという間の障害物リレーだったけど、
父兄席から応援していたとうさんは、
ほのさんがみんなと一緒に競技に参加している様子を見て、
驚きと感動で涙が出たそうな。

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競技はそれだけじゃなくて、
南の島にみたてたエアートランポリンに
みんなで乗ったり、
親子ダンスをしたり、と
それはもう盛りだくさん!

これまでは”競技に参加する”なんて考えてもみなかったし、
それどころか、こんなに何回も
おうち以外でバギーから降りて何かをすることもなく、
なかなか抱っこさえもして頂く機会もなかったので、
最初に三種目に参加すると聞いた時には、
かあさんかなーりぶったまげたわけです。

ところが、先生がほのさんにも安全にできる方法を考えてくださり、
繰り返し訪問の授業で楽しみながら練習をして、
その中で、きっとほのさん、
せんせいと いっしょなら できる!
と思っただろうし、
最初の練習では顔をこわばらせていても
だんだんと挑戦する楽しさを実感して、
どんどん逞しくなっていくのを感じました。

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ほのさんの成長する姿は言うまでもなく
ほの家の大きな喜びであり、
自信となったわけです。


ところが、運動集会の3日後から大きく体調を崩したほのさん。

かなーりピンチな状況で。

一時は酸素8リットルのバギングでも
サチュレーションが保てないほどに。

すぐに主治医に指示を頂き、
呼吸器の設定を変えたり、
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より濃い酸素が出る濃縮器を急遽入れてもらったり。

心配な状況が続きましたが、
なんとかおうちで乗り切ることができました。

ちょっと初めての運動集会で張り切りすぎちゃったかな...

毎日、訪問看護師さんやOTさんが様子をみに来てくれて、
かあさんはとても心強かったし、
ほのさんは、かなり具合が悪いにもかかわらず、
みなさんが来てくれると嬉しくて
だみ声を振り絞ってなんとかおしゃべりしようとして、
みんなの笑いを誘ってました。

いろんなことに挑戦して、
それをほのさんが楽しめている様子が嬉しい。
チャレンジの後に今回のように体調を崩すことがあっても、
自分たちががんばって支えたい、
そうチームの皆さんが言ってくださったこと、
かあさんもとうさんも涙がでるくらい嬉しかったし、
心から感謝するとともに、
リスクを考えて”辞めたほうがいい”と言うのではなく、
”リスクげあってもチャレンジを楽しむことを支えたい”と、
そう言ってくださるみなさんのプロフェッショナルさに感激いたしました。


この不調、一時は深刻な状態だったものの、
差し迫った”日曜参観”に向けて
見事に復活し、
そのあとすぐに体重1キロ増となったほのさんの逞しさは、
”小学生の逞しさ”そのものでありました。


完全復活した日曜参観では、
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ブランコに乗せてもらって
先生の優しい歌声とともにユラユラして
うっとりしているほのさんの顔を見て、
ほのさん、本当に学校が好きなんだなあ、
あの子にとってそれだけ励みになることができて、
本当に良かったなあとしみじみ思いました。




その後は元気に家族でお出かけもし、
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念願のアンパンマンミュージアムにも行きました。



夏休みは、
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脱いだ洋服をたたんでお手伝いしたり、

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歯科検診を受けたり、

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ベッド周りも夏らしく。



こうしてほのさんの、
山あり谷あり、泣き笑いの充実ライフは続きます。
# by honohono1017 | 2014-08-13 18:00

ほのさんの学校生活と、特別支援教育についての覚書。その2

つづき

また、就学相談において大きな疑問を抱い点は、
「学区」の問題である。

ほのさんのような子どもにとって、
学校に行く際に最も問題となるのは、「移動」ということだ。

スクールバスにも乗ることができず、
移動に際して、母親以外にもう一人の手が必要な子どもにとっては
「学校が近い」ということが何よりも助かる。

ところが、「学区」が非常に厳しく決められており、
ほのさんの住む地域では、
特別支援学校がある地域に偏りがあり、
通学の負担緩和のため、
新しく特別支援学校が設立されて、
その学校が我が家から一番近い場所にあるのだが、
学区外であり、学区を乗り越えることは非常に難しいということで、
当初、その学校を希望していたが、まったくとりあってもらえなかった。

「学区」の問題は、ほのさんのまわりのお友だちからも、たくさん聞かれた。

通学の困難さから「学区」を超えて、より近い学校を希望したところ、
その希望にはそえないので、通えないのなら「訪問籍にしてはどうか」
と言われたというおともだちもいた。

一つの学校に生徒が偏ってはいけないし、
学校運営のためにかあさんなどには想像もつかない何かがあるのかもしれないけれど、
そもそも「個別のニーズ」ということでの特別支援学校ならば、
「通う」と言うことに関して、もう少し個別の配慮、あるいは
相談に応じる姿勢も必要なのではないかと思う。

さらに、「通う」ということに関して言うと、さらに問題がある。

特別支援学校からは、スクールバスが出ている。

バスストップまで一人で行けない子どもたちは、
ヘルパーさんに同行してもらえる。
もちろん、親がバスストップまで送り迎えしている場合もある。

スクールバスに乗れない子はどうか。
親が車で送り迎えをしている場合もあるし、
親だけでは手が足りない場合は、加えてヘルパーさんをお願いする場合もある。
この場合は、親が運転する車に、本人の横にヘルパーさんが同乗することになっている。
ヘルパーさんは、本人の横にいて支援にあたる、と決められているからだそうだ。

ところが、ほのさんの場合、
車の中でほのさんの横にいるのは「かあさん」でなければならない。
痰を詰まらせて急変する可能性があるからだ。
その上、かあさんは車の免許を持っていない。

だからと言って、移動について、
「車+運転手」では困る。

車の中で様々なケアをする場合、
ほのさんのケアに慣れているヘルパーさんの手助けが必ず必要となるからだ。

このような事情を役所に話すと、
提案される方法は3つ。

①「生活サポート」の利用
車+運転手(ヘルパー)が来てくれて、学校まで送り迎えしてくれる。

実際には、以前、しらみつぶしに事業所をあたったがことわられてしまい、、
医療的ケアのある子どもの利用ができる事業所は非常に限られているため空きがない。

②「移動支援(通学通所)」を利用、ただしヘルパー2人体制
ほのさんはもともと、ヘルパーさんが2人でケアにあたることが許可されているので、
ベッドからバギーへの移乗などの準備などにヘルパーさん2人で支援に当たり、
車に乗ってからは、一人が運転(あくまでボランティア)、一人がほのさんの横に。

実際には、ほのさんの横にはかあさんがいるので
(ほのさんが登校するときにはかあさんの付き添いが必須です)
もう一人ヘルパーさんが横にいる必要はない。
役所はあくまで本人の横に付き添うことが「支援」だとするが、
公共の交通手段やスクールバスに乗ることができない以上、
目的地まで安全に運んでくれる「足」というものも立派な「支援」であると
これまでもことあるごとに主張してきたが、なかなか認めてもらえない。

③福祉タクシーなどの利用

タクシー券が利用できるとはいえ、
学校まで距離がある以上、かなり料金がかかってしまうし、
タクシー利用の他にヘルパーさんも頼まなければならないし、
お金の問題以前に、子どもが義務教育で、県立の学区内の学校に通うのに
タクシーを利用するということが、かあさんにはとても受け入れられない。


この「通う」という問題において考えたいことは、
子どもたちが学校に安全に登下校することにおける責任がだれにあるか、
ということだと思う。

もちろん親にはその責任があるし
(親が毎日、付き添うことを強制されることが責任か、という問題は置いておいて)

スクールバスを出しているということは、
学校にもその責任があり、

スクールバスを利用できない場合においては、
それを補う形で、「福祉」が担うべき責任もあると思うのだ。

特別支援学校に入学を許可します。
入学を許可しますが、スクールバスに乗れない以上、
「通う」方法はそれぞれで何とかしてください、
「親」がどうにかしてください、
「福祉」分野で解決してください、
という問題ではどうもおかしい気がするのだ。

せっかく、どんな障害を抱えていても教育の機会が保障されるべきだ、とされていても、
「通う」ことができなくては、一体、何が保障されているというのだろうか。




それから、先に記した「インクルーシブ教育」という視点から見て、
現在の「特別支援教育」というものはどうなのか。

「インクルーシブ教育」や「インクルージョン」という用語は、
平成6年、「特別ニーズ教育に関する世界会議」によって国際的に認知されたといわれているが、
何か共通な定義があるわけではないという。

ここはかあさんも勘違いしていた点で、
全ての障がい児が通常の学級で学ぶべきとする立場のことをさすわけではなく、
多様な教育の形態を認める立場もあるらしい。

ただし、大きな特徴としては、通常教育自体の改革を求めていることがあげられ、
この点で、従来の統合教育(インテグレーション)とは異なると言われている。

理想を言えば、ほのさんもどんな子も、
近所のこどもたちがみんな、近くの同じ学校に通うことができたら、
それに越したことはないと思う。

だが、今現在の普通学校に、
ほのさんが通うことを考えたならば、
ほのさん的にも難しいことがたくさんあるし、
まわりの子どもたちにしてみても、
すべてをほのさんと共に行うことがいいことかどうか難しいところだ。

この想像自体、
いわゆる、かあさんも受けてきた従来の「通常教育」に
ほのさんを当てはめる形の過程であるから無理なのも当然で、
どちらかの誰かを、どちらかの教育に当てはめる形ではなく、
新しい形態を生み出すことがインクルーシブであるならば
それはとても素晴らしいだろうが、
ちょっとどんなものなのか考えようもない。

インクルーシブ教育は世界的な流れであり、
日本ももれなくこれに向かっているようなのだが、
これまでの経験や感覚からすれば、
障がいのある子どもたちがなんとか努力して普通教育にのっかりなさい、
頑張って地域の小学校に入学しなさい、それが一番なんだから、
という意味合いで「インクルーシブ」を捉えてはいないだろうか。

障がいをもった子どもたちやその親たちの必死の努力を前提とし、
そういった子どもたちを、大多数の子どもたちの方の「かた」にはめ込む形が
日本の「インクルーシブ」であるならば、
それは、特別支援学校に通っていることを差別的にみられることと同じくらいに
苦痛でおかしなことであると言わなければならない。

とはいえ、かあさんは全くの無知であり、
そんなことは見当違いであるならばいいのだが、
「インクルーシブ」という輸入された概念に対して、
誰でもがわかる、適当な日本語をあてることも難しいこの土壌の中で、

その理念を手っ取り早く実現しようと急ぐあまり、
もっと細かな、
先に述べたような、就学相談というシステムであるとか、
「通う」手段の不整備であるとか、
もっと根本的な、基礎的な問題が未解決になってはいないだろうか。

「我が国も、この理念に基づいていきます」
というようなお達しが、「うえのうえ」から降りてきて、
それにかかわる部署の人たちが、
その中身について深く、現実的に理解することを吹っ飛ばして、
教育に関わる手続きや仕事を行ってはいないだろうか。


昨年4月から始まった就学相談。

9月には、就学を次年度に控えた子どもたちには、
戸籍をもとに、一律に先に述べた「就学前検診」の案内が送られてくる。

ほのさんにも漏れなく送られてきたわけだが、
9月の時点では、すでに担当コーディネーターと繰り返し面談を重ねており、
つまり特別支援学校に入学希望である意思は伝わっている上に、
就学委員会もそれと同様の意見をだし、
その方向で進んでいっている状況であった。

かあさんにしてみれば、
それならば地域の学校で行われる健康診断には行かなくてよい、
というよりは、そこで健康診断を受けられる状態にないから
特別支援学校に入学を希望しているわけだから、
健診案内が送られてくることに疑問があった。

問い合わせたところ、戸籍に基づいて一律に送ることに定められている、
その上、現時点ではお子さんの特別支援学校への入学は決定には至っていないので、
仕方ない、ということであった。

それならば、「特別支援学校に入学を希望されている場合は」というような注意書きが、
「私学への進学を希望している場合は」などという注意書きと共に書かれていてもいいはずだし、
どうしても案内を送付するならば、
担当のコーディネーターがとりはからってくれてもいいのではないかと思った。

だが実際には、地域の小学校の教頭あてに
母親が「うちの子はこういう事情で(障害があって)健康診断に参加できません」と
電話連絡をしなくてはならなかった。

仕方ないので電話したところ、
教頭先生は、

「どんなお子さんでも一律に地域の学校で健診を受けるのが原則です」
と前置きして、

お子さんの状態はわかりましたので、
健診を欠席ということで了解しました、

とおっしゃったのですが。


「どんなおこさんでも一律に」
という一言に、
「平等に」というニュアンスを含ませたかったのか何なのか本当によくわからなかったし、
ほのさんのような子どもがこの地域にかつていなければ、
心底、健診を欠席するほのさんの体の状態について想像がつかなかったのかもしれないし、
とにかく、なんていうか、
「インクルーシブ教育」の実践で、
ほのさんがこの地域の学校の「かた」にはめこまれるということは
不可能に近いなあと思ってしまった。

また、「インクルーシブ教育」の実践のために、
わが県では「支援籍」という名前で、
地域の小学校と特別支援学校と、
両方に籍を置くことができるシステムがある。

少しずつなら両方の学校に行くことができる子どもにとって、
それは素晴らしいシステムであるのだろう。

新入生にもその「支援籍」の案内があったのだが、
まだ実際に授業も始まっておらず、
我が子が学校生活に慣れていけるだろうかという状況の中、
「支援籍」についての説明がさっとあったのちに、
希望される場合は手続き上、必要書類をこの場で提出してください、
という案内の仕方も、
いやー、インクルーシブねえ、と正直、苦笑ってしまった。

たくさんの子どもたちがいて、
たくさんの書類や手続きがあって、
ひとつのことをするにも、本当にたくさんの人が関わっていて、
想像するよりもはるかに大変なことなのだと思うのだが、
結局、一人ひとりのこどもたちとじっくり関わって、
その子どもに必要なこと、それに関わる準備などを、
丁寧に話して、確認して、
過程を大切にやっていくこと、
それを積み重ねていくこと以上に大切なことはないんじゃないかと
事あるごとに感じていて、
そうしていくことで、
さまざまな子どもたちが存在する今の世の中で、
「かたにはめ」ようとしていたんじゃないかと気づいたり、
「かたにはめる」ことそれ自体が「インクルーシブ教育」から、
一番遠いことなんじゃないかとか、
そうやって少しずつ、ちょっとしたことから変わっていくんじゃないのかなと思ったり。


現在の特別支援教育は、

「学校は集団で学びあったり遊んだりしながら、
お互いに育ちあうところという学校文化が揺らいできていることを危惧している」

とか、

個別の指導計画やソーシャルスキルトレーニングなど、
個別の指導が重視され、
子ども集団や人と人とのつながりが軽視される傾向」

だと指摘されているようだ。


かあさんは、教育学者ではないからよくわからないし、
ほのさんの学校生活も始まったばかり。

この指摘によれば、
先生対生徒、1対1の訪問教育は「学校」ではなくなってしまう。

しかし、ほのさんの受けている訪問授業は、
場所は「家庭」であるが、
先生が来てくださることで「学校」となり、
本人もこれまで関わってきてくださった方たちとはまた違った関係、
つまり、本人なりに「先生」という人をわかっている。

そして先生の、ほのさんとの関わり、
ほのさんという一人の生徒の受け止め方、接し方はとても素晴らしく、
ほのさんの個性、できること、ニーズを捉えて授業がすすめられている。

ほのさんのような子どもにとって、
じっくりと本人にあわせて関わりをもってもらうこと、
そうやって少しずつ成長して、
意思表示ができるようになったり、できることが増えていくということは、
本人の生活にとっても、人生にとっても、今後においても、
非常に大切なことが。

障がいの有無にかかわらず、
全ての子どもに教育の機会が保障されるべきだ、
という文句は、
「平等」という視点からのみならず、
たかがまだ授業が始まって1か月足らずだが、
ほのさんの成長、変化が顕著であることから、
「それぞれにあった教育」の大切さについては、
自信を持って言えることだ。

先生との関係が築けてきたので、
明日は、入学式以来、初めて登校させてみるつもりだ。

お友だちを感じること、
お友だちと過ごすことで、
お友だちの中の自分を感じること、

これがほのさんの次なるステップだ。

そうやって一歩ずつ進んでいくことが
インクルーシブ教育への道筋ではないか。
# by honohono1017 | 2014-04-30 22:45 | normalization


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