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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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ほのさん、『自信をつける』の巻 その2

暮れてまうやろー、
と思ってたが、いつの間にやら
明けてまうやろー、
という、晦日の今日。

いかんいかん、ほのさんげきどーの一年を、
ちゃあんと振り返っておかねばー。


メリーゴーランドに乗っちゃった遠足が終わるとすぐ、
ほのさん7歳のお誕生日!

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そうそう、あたしのたんじょうびは、
10がつ17にち
まちがいない、きょうだわ!

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担任の先生が電話して頼んでくれた(!)という魔女さんが来て、
魔法にかけられたほのさんは、

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お姫さまにへんしーん!

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魔女の世界にもあるらしいエ◯メスの箱を開けると、

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おっきなケーキ!
魔女さんありがと。
先生もありがと。

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おとさんが買ってきてくれたのは、
くまさんケーキ!

ほのさん7歳、18キロになりました。
すくすくすくすく、
この頃は本当に健やかに
何年も栄養は増えていないのに、
たくさんの人たちから頂く優しさと愛情で、
逞しく成長しています。

とうさんかあさんにとっては、
この上ない喜びであります。


お誕生日ムードも冷めやらぬ1週間後、

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待ちにまった文化祭。

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うささんのおさいふにおこずかい入れて
バザーでお買い物したり、
(ラコールの空き箱は、お買い物カゴ!)

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この日のためにたくさん練習した、
1年生みんなで参加する劇に出たり、

訪問籍のお友だちたちと、
ブレーメンの音楽隊に扮して歌を披露したりしました。

この文化祭での経験は、ほのさんをさらに成長させました。

1年生のお友だちの輪の中に入ることにすっかり慣れ、
むしろ、おともだちといっしょだから だいじょうぶ、
という雰囲気が感じられました。

劇の間、かあさんは黒子と化して
ほのさんの後ろに張り付いて、
吸引をしたり、
クッションチェアーに座ったほのさんを
先生と一緒に持ち上げて、
バランスボードに乗せたり(!)したのですが、
バランスボードに乗る、なんて、
少し前では考えられなかった活動も、
楽しみながらやってのけ、
(バランスボードのくだりが終わった後、
ホッとしたのかアラーム鳴らしてましたが)
みんなで行進する場面では、
途中から、
かあさん、あたしひとりで できるからっ!
ときっぱりと言うような様子だったたので、
かあさんは窓際にはけて、
みんなと一緒に行進する(クッションチェアーごと台車に乗っていて、
先生が引っ張ってくれます)様子を
しみじみと眺めることができました。

春の運動会の時には、
かあさんが離れようものなら
どこいったの こっちきて
と不安げにして、
障害物走も、必死に引きつり顔でこなしていたあの子が、
このたった何ヶ月間で、こんなにも頼もしく、
堂々と楽しめるようになるなんて、
それはもう、感激しました。

これはもう、日々の先生との授業でのやりとり、
お友だちと交わるという経験、
”学校”という集団に属して、
参加し、創り上げるという経験以外に、
子どもの中にある力を引き出し、
自信を与え、意欲を沸かせる経験はないでしょう。

ほのさんが、この学校の生徒になれたことを、
心から感謝した経験でした。


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ほのさんの毎日は、目を輝かせるような刺激と、
新しい発見に満ち溢れています。

そんなほのさんを見ていると、
かあさんはハッとさせられます。

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ありふれた日常に、
繰り返す毎日に、

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ありあまるほどの、
たくさんのシアワセが溢れていることに。


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たくさんの経験をして自信に満ち溢れてきたほのさんは、
意思もはっきりとしてきました。

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先生が忘れ物をして、授業内容変更して
本を読むことになったこの日。

そのことを告げられたほのさんは、
急に黙りました。

当然、その変化に先生は気づいて、
しばらくしてから、
ほのかさん、ひょっとして おこってる?
と先生が聞くと、
ふーん!
と言いました。

かあさんは、そんなことでほのさんは怒らないだろうと
勝手に思ってたのだけど、
先生にはっきりとそう意思表示をしたのです。

先生は慌てて、
ほのかさん、ごめんね、
と言って詳しく事情を説明され、
代わりに明日の授業でしましょうねと
丁寧に話してくださり、
するとほのさんは、
ふん、ふん、と言いながら聞いて、
その後もちゃんとお返事しながら、
本を読んでもらってました。


ほのさんはもう、7歳の小学生。
当然のことながら、母子一体感は消え去り、
1人の女の子として、
自分の考えを持って生きているのです。

これまではかあさんが、
こうこうこうだよね、と言うと、
ほのさんも、なんとなく、
そうだよね、
というような感じできたけど、
小さくてもほのさんは、
ああ、1人のニンゲンなんだな、
と感じるようになり、
いつまでも、かあさんと一緒、
ではないんだなあ、
ということが頼もしく嬉しくもあり、
そこはかなとなく淋しくもあるのでした。


この頃のように、タイミングのあったお返事や、
はっきりとした意思表示は、
この1年でメキメキと出てきました。

これまでも、例えわかりにくくても、
ほのさんはちゃあんと表出していたし、
でもこちらがうまく理解してあげられなかったり、
慣れた人でないと難しかったり、
とうことがありました。

だから、ほのさんの表出自体を否定されることもしばしばあり、
それはとても辛い経験で、
でもそれについて証明できる術があるはずもなく、
医学も科学もそのことについては何も解明してはくれず、
それがもどかしくもある反面、
人と人の間で育ち、
さまざまに変化し成長し適応していく存在を、
そう簡単に解明されてたまるかという思いもありました。

体が丈夫になり、調子が良く、
楽な(辛くない)状態で成長し、
それに伴って心がみるみると姿を現し、
自分自身の小さな”社会”を作りはじめたほのさんを見てきて、
今、確実に言えることは、
ほのさんに限らず、意思疎通が難しいと言われる人たちでも、
必ず、家族の声を”聴き”
新しい朝の訪れを”感じ”
”喜び”や”悲しみ”の中で暮らしている、ということです。

聞いているのは”耳”ではないかもしれないし、
”目”で見ることができなくても、
彼らは”全身”で毎日を”感じて”いるのです。

そして”感じた”ことを、
”ことば”を介さないメッセージを全身で
どーんと送ってきているのです。

それは家族の”願い”や”思い込み”では
決してないのです。

”意思疎通ができない”と一方的にきめつけているのは、
いつも”こちら側”の”聴く耳のなさ”や”心なさ”かもしれず、
どんな人も決して”人間らしさ”を失うものではないのです。

そんなことをあらためて強く感じた1年でもありました。

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そして、医学の力では計り知れない出来事がもう一つ。

忘れもしない、ほのさん7歳と2ヶ月の日、
12月17日の夕方のこと。

かあさんは台所で夕飯の準備。
ほのさんは静かにソリタ水を飲んでいた時のこと。


ふっーん!

とおっきな声が聞こえ、パッと見ると、
ほのさん、真っ赤な顔して踏ん張ってました。

これは排尿あるいは排便の合図で、
便の時は全部自分で出すこともできますが、
尿の時は膀胱を圧迫してお手伝いする、
用手排尿をしています。

だから、ほのさんがこんな風にお知らする時には
すぐに行ってお手伝いするのですが、
この時はかあさん、ゴム手袋をしていたので、
ほのさんを少し待たせてしまいました。

おまたせ!と、かあさんが行った時には、
真っ赤な顔に大汗をかいて、
力むのでサチュレーションを下げてアラームを鳴らしていました。

急いでオムツをあけると...

今まさに、
おしっこが、
にじんで、
ちょろーっと、
自力で出てきたのです!

かあさんが膀胱を押す前に!

ほのさんが自力でおしっこをしたのは、
これが初めてのことでした。

結局、この時もその続きは
用手で出しましたが、
少なくてもなんでも、
ほのさんが一人でできたことにはかわりありません。

思えば近頃、オムツが少しだけ、ほんの少しだけ、
汚れていることが何度もありました。

かあさんは勝手に、(自力でできる)便の付着だろうと思っていたけど、
本当は一人でおしっこをしていたのかもしれません。

もう、かあさんは本当にびっくりしました。
しばらく、放心状態。
我が目を疑い、でも実際に見たし、
そうだよね、ほのさんが、自分でしてたよね、と
何度もその確認作業を頭の中で繰り返しました。

かあさんがそれほど驚いたのには、
理由がありました。

ほのさんが自力排尿できないのは、
生まれた時に受けた脳のダメージが原因で、
おしっこを出すために必要な脳の機能や神経の伝達がうまく働かないからで、
今後も自力排尿は難しいと言われていたからでした。

ほのさんはまだ、”じぶんでできた”という感覚をものにできていないし、
”こうやると出る”ということを覚えて、
お腹を押されて出すより、
自分で出る方が気持ちいい、
という感覚をフィードバックするためには、
かなりの訓練が必要になると思います。

その一連の訓練をするには苦痛も伴うし
大汗をかいて体温が下がったり、
分泌も増えるので苦しくなるかもしれません。

どこまでどうするのか、難しいことです。

それでも、このことで、
大切なことに気付かされました。

何より大切なことは、
そもそも以前からほのさんが、
”おしっこしたい”という尿意を感じていたということ。

そしてそれをちゃんと知らせてくれていたということ。

なんだかそれらのことを
ほのさん、えらいね、
と言いつつも”あたりまえ”に思っていたかもしれないな、と。

それから、ケアの仕方について。

時間が来たからおしっこしよう、ではなく、
ほのさん、おしっこでる?
と本人に聞いてからするのが本来のケアであるはず。

自力ではなく介助が必要だからと言って、
本人がしたくないのに、
時間が来たからする、というのはおかしなことだなと。

せっかくイエス、ノーの意思表示がはっきりできるようになっているのに、
ケアが日課になってしまっていることで、
本人の意思を確かめずに行ってしまっていたなあと。


こうしてほのさんの、自力排尿事件は、
医学では計り知れない”生きる力”と、
日々のケア、”ほのさんの”ケアについて
深く考えるきっかけとなりました。

ほのさん本人にとっては、
それは今後もできない、とか、
医学的にムリとか、
そういうことはもうよくわからないというか、
あたしにはかんけいない、というか、
そういうこととは子どもらしく無縁に生きていて、
そういう自由さとか、力強さこそが、
いい意味で医学や科学を裏切っていくんだろうと思いました。

つまらない枠組みにとらわれているオトナにしてみれば、
ほのさんが自分でおしっこ⁈
なんて腰が抜けるほど驚いて喜ぶわけだけど、

ほのさんにしてみれば、
”自力排尿”は、
”なんか でちゃった”くらいなもので、

なんか みんながものすごいよろこんでる
なんか みんなが すごいほめる
なんでなの

といった風に、ポカンとしちゃってる感じ、
その力の抜け加減こそが、
環境に適応し、成長していけるチカラなのかもしれない、
なんて思ったほどでした。

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ほのさん、7歳 小学1年生。
この頃の特技は、ドヤ顔。

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さまざまな経験をして、自信をつけ、
自分の足で、自分の人生を歩み始めたほのさんは、
この先きっと、何かにぶつかって、
何かにつまずいて、
その自信を無くすような日がきっと来るでしょう。

そんな時に、

それでも あたしは だいじょうぶ
あたしは OK なそんざいなんだ

ときっとあの子が感じられるよう、
いつも、とうさんと2人で、
たくさんの愛情を注いでいたいと思っています。



1年間、ありがとうございました。

どうかみさなん、あたたかい、
希望な満ちた新年を迎えられますよう。




by honohono1017 | 2014-12-30 11:27
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