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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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ほのさん、「自信をつける」の巻 その1

気が付けば師走。

ついこの間、不安げに小学校に入学したと思っていのに、
瞬く間に1年が終わろうとしています。

夏が終わり、秋がきても、
ほのさんの充実した毎日は続きました。



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毎年恒例の、お月見団子作り、
今年は授業で先生と一緒に。

ポイントは、白玉粉にお豆腐を混ぜたこと。


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あんこではなく、みたらしで。



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家族でおでかけ。
そとでたべるごはんは、やっぱりなんか おいしいな。
とうさんかあさんは、ちゃーはんかあ。へえー。

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おでかけで買ってもらったおよふく着てうける授業は、
なんか気合いはいるうー。

がんばって体を動かしているので、入学してからずいぶんと
からだが柔らかくなったよ。


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なんだかふしぎなかみ、でんぐり とかいうので
ハロウインのかざりもつくったよ。

はやく あたしに やらせてよー



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できあがり。
かぼちゃのおばけらしいよ。
よくできたん。


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前期の終わり、はじめての「あゆみ」をもらいました。
かあさん、ちょっと緊張。
ほのさんの「1年生」前期は、どんなふうに評されるのかしらん。

細かいプランに対して、どのように取り組んできたか、
ひとつひとつ丁寧に記述してあって、
「あゆみ」というその名の通り、
前期を通してどんな授業をして、どんな様子で取り組んできたかがよくわかる内容だった。

だから、それを読んで、ひとつひとつのお勉強を思い出しては、
遠い目をしては、微笑んでしまったよ。

総合所見には、

「4月に入学し、週3回の訪問授業がスタート。
毎日忙しいほのかさんですが、これで1週間のスケジュールがいっぱいになりました。
にもかかわらず毎回の授業ではいつも全力投球でがんばっていましたね」

「スクーリングの時にはとくに張り切って、
夜も眠れないくらい楽しみにしていました。
学校が大好きでお友だちに会うのを心待ちにしていたほのかさん。
でも、夜は早く寝る、という宿題をきちんと守って
早く寝ることもできるようになりました。

1年生ってすごいですね。
立派な1年生のスタートを切ることができたと思います」

などと担任の先生が書いてくださり、
かあさんは、うれしくてうれしくて、何度もなんども読み返しました。

授業でいろんな活動ができたこともそうだけど、
大好きな授業をものすごく楽しみにしているようで、
授業に備えてちゃんと夜は眠るようになったし、
備えすぎて、午後からの授業のために午前中はほとんどしゃべらず、
体力温存?したり……
スクーリングや行事に合わせて、
崩した体調もちゃあんと調整して絶好調で臨むあたり、
本当に感動もの。

生活のリズムがつくこと、
見通しをもって行動したり、
予定にあわせて調整したり、
小さな子にはむつかしいことを、
(場合によってはオトナでも難しいこと)
ちゃあんと身につけてくれました。
そんなこと、教えたわけではないのにね。
きっと教えたって、できないんだろうね。

学校って、すごい!


訪問の授業では、先生に心配されるくらい元気いっぱいにお返事できても、
登校したときにはだんまりをきめていた最初の頃に比べて、
だんだん素をだせるようにもなり、
緊張よりも、お友だちに会える楽しさ嬉しさが勝るようになってきた様子は、
こちらまでウキウキしました。

彼女のセカイがどんどんどんどん広がって、
以前にもまして生き生きとし、
そんな楽しい経験を、
関わってくださっている方たちに、
あのね、こうでね、こうでね、と報告する様子、

ほのさん、がっこう、いってきた?どうだった?たのしかった?と聞かれて
ふん、ふん、ふーん!
と弾んだ声でお話しする様子をみて、
みなさんがその喜びをわかちあってくださるのもまた幸せで。

お返事や、イエスやノーの意思表示も
以前よりもはっきりして、ほのさんの考えてることが
わかりやすくなったね、と言われるようにもなりました。

ほのさんも、とうさんもかあさんも、
これまで、ここまでほのさんを大きくしてくれてきたみなさんも、
嬉しくて胸がいっぱいになりながら、終わった前期。




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ほのさんの、はじめての学校生活に、
かあさんも、自分が思っている以上に気が張っていたのか、
後期がはじまってすぐに、
かあさんが!救急搬送されるというお恥ずかしい事態に……

とうさんとほのさんをおうちに残し、
マブに付き添われながら、
半べそ(いや多分、大泣き)で担架で担ぎ出される絵は、
今でこそ思い出して笑えますが。

いやもうそりゃ、この世の終わりみたいな気分で。
自分も入院、ほのさんも強制的に入院、
んで、ほのさんは生きる気力を失くしてガタガタと体調崩し……
みたいなサイアクな状況を思い浮かべるも、
かあさんは点滴、自宅療養でなんとか切り抜け。

ヘルパーさん、訪問看護師さん、OTさんなどに
たくさん来てもらって、ほのさんが元気に過ごしている間に、
かあさんもなんとか復活できますた。

自分では全然、無理しているつもりもなかったし、
もっと休んだ方がいいよ、というアドバイスにも、
休み休みやってるからだいじょうぶー、なんて思ってて。

というより、ほのさんの在宅生活ももうすぐ7年。

ほのさんが成長するに伴って、
ケア時間は以前よりとても多くはなっているんだけど、
ほのさんの「ケア」というものが、
かあさんにとっていわゆる「ケア」でなくなっているというか、
ほのさんの生活の「あたりまえ」をあたりまえにしている感じで、
そのあたりまえ加減が、実は自分自身の「キャパ越え」していることを
気付かなくしていたところもあり。

かあさんが倒れる、という一番やってはいけないことをしてしまい、
もうこれは生活を見直す以外なく、
在宅生活始まって以来、
居宅サービスの時間数を増やしていただくことにしたのです。

例えば、ある日のスケジュール。

午前2時半起床、(2時半までは、とうさんがみていてくれます)
ほのさんの傍らで仮眠しつつ、30分から40分ごとに
吸引、体位交換を繰り返し、
間に午前4時、用手排尿、がっつり排痰&吸引、水分補給をし、
午前6時、再び用手排尿、カフアシスト、注入開始。

それと共にかあさんも本格的に活動開始。
ベーグルかじって、自分の漢方煎じて、
掃除、洗濯、
約1時半かけての渾身の痰とり、
美顔蒸しタオルして、目薬つけて、
歯磨き、口腔ケア、
ジュース飲ませて、
そうこうする間に午前10時、ヘルパーさん到着。

お体清拭、物品の補充、用手排尿、吸引、見守りなど
長い日は午後1時まで。

1時半には訪問授業開始。
3時まで一緒に楽しくお勉強。

終わるころ、ヘルパ-さん到着。

カフアシストなど済ませて、
17時半までほのさんをお任せ。

その間に、家事、夕飯準備。
それらのことに「専念」できることの素晴らしさといったら!

それまで、ほのさんの変化に気を付けながら、
時々はほのさんの方からも、ちょとかあさん!とお呼びがかかり、
決まった時間のケアもしながら、
とうさん帰宅までに家の中を整えて、
夕飯の下ごしらえをしていたのだが。

一旦、その「ながら作業」を離れてみると、
これがどんなに疲れることだったのかとびっくりした。

夕方のこの時間、
ほのさんは便意がでてくる時間でもあり、
力みがちになって換気量が落ち、
サチュレーションも下げ気味になる頃で、
とても注意が必要なのだが、

その上、2時半起床の身にとっては、
なんとなく眠気が出てくる頃でもあり。

当然いつでも、ほのさんのことが優先となれば、
夕飯の支度がやっぱりどうしてもおろそか、というか
気持ち的に投げやりになってしまっていたのです。

それが、ヘルパーーさんにがっつりほのさんを見ててもらえると、
こちらはなんと気持ちが楽なことか。

この時間を利用して、仮眠をとることもできて、
以前の生活に比べて、体も断然楽になりました。
(いまさらですが)「休む」って、こういうことか、と思い知ったわけです……。

担架に乗せられて玄関を出るときに、
リビングから聞こえてきた、悲痛なほのさんの声を、
これからはいつも頭の片隅に置いて、
おまじないのように「むりしない、むりしない」、
ほのさんにあんな思い、「もうさせない、にどとさせない」と呟く日々です。

あとは、ほのさんのケアを担って、
安心してお任せできるヘルパ-さんを増やすことが(長年の)課題です。




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ほのさんは、もちろん倒れたかあさんのことも心配してくれていましたが、
もうひとつ、大きな心配事がありました。

ほのさん、動物園への初めての遠足が迫っていたのですが、
かあさんは、うちのなかをふらふらと杖をついて歩いてる。
これじゃあ、えんそくどころじゃないのかな……

ほのさんがものすごく遠足のことを心配していることを知りつつ、
体調が100パー回復しないうちに、
「いこうね」とは言えん。
ここで無理はできん。
しかし、どうしても連れて行きたい……。

遠足までのカウントダウンに入っても、
なんだかかあさんの体力は戻らず、
もう目の前真っ暗になっていたのですが、
ちょうど2日前の午後、急激にピンピンとしてきて、
なんとかなんとか初遠足にこぎつけたとです!




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平日の動物園は、秋の遠足の子どもたちであふれておりました。

薄い長そででも汗ばむくらいの日ざしは、
ほのさんにとっては強い味方。

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たくさんの動物をみて回って。


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クラスのお友だちたちは、いくつか乗り物に乗ったようで、
それを聞いただけでなんだか嬉しくて、
ほのさんが乗れそうな乗り物はどうやらなさそうだったけど、
また来年のおたのしみでもいいかなあ、なんて思っていたら。


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はずれの方にあったメリーゴーランドの前で先生が、

はい、ほのさん、これ、のります!

って!!!


乗り物はまた来年モードだったとうさんかあさんは、
えーっと……ととっさに焦ったものの、
先輩Kくんがあれよあれよと抱っこされて乗せられて、
楽しそうに回って帰ってきたのを見て、
よっしゃ!
ということで。



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じやーん!

ついに乗り物デビューしてしまいました。

初メリーゴーランド!


先生のお膝の上で超ごきげん!

ポジショニングを整えて、毛布をかけて、
モニターをつけて、
かあさんが隣りでバギング。

準備が整うまで、ほのさんはかなーりというか、
これまで見たこともないようなそれはもうイイお顔をしていたのだけど、
いざ、メリーゴーランドが回りだすと、
次第にまだらに顔が赤くなってきて、
しまいには真っ赤になりながら、両目から涙!

ほのさんが乗ってる!という事実があまりにも嬉しくて、
考えてみればこの乗り物がこのあとどんなふうに動くのかとか、
ほのさんに何にも説明していなかったし、
驚いて泣いてしまっても当然だ。

いや、たとえ丁寧に説明したとしたって、
驚くいてしまうのが、
はじめての乗り物ってもんだ!

ほのさんがそうしてあまりにも正しい「初体験」をしたことが、
どうにもこうにも嬉しくて。
うえーんってなってるほのさんを見ながらみんなで笑ったのでした。

この頃では、とうさんとかあさんとほのさんで、
ちょっと遠くへおでかけなんかもできるようになっているけど、
3人ではどうしたって、
ほのさんを乗り物に乗せようなんて言う考えは浮かぶことはなかったなあ。

諦めていたというよりは、
「乗せる」という考え自体が浮かばなかったというか。

それでも、先生が「ほのさん、のるよ」と、
あまりにも潔く軽やかに言ってくださるもので、
ほのさんにくっついている機械のあれこれの存在は、
それはもうどうにでも工夫してできるもので、

「重度だから無理」
「呼吸器だから無理」

というような、小学校入学以前について回っていた、
どうしようもない、「本人以外」、「周囲」の「言い訳」が、
先生の勇気と行動力と愛情によって、
一瞬に消え去った瞬間だったのです。

ほのさんの「初体験」は、半べそに終わったけれど、
メリーゴーランドの馬車の上で、
先生のお膝に乗った時のほのさんのあの晴れやかでキラキラしたお顔は、
なんて言うかな、「本来の」ほのさん、を見たようで、
一人の、こどもらしい、とてもとてもこどもらしい輝きを放っていました。



つづく

  






 
by honohono1017 | 2014-12-15 22:01
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