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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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ほのさんの「在宅生活」についての考察、あるいは決意表明。

山あり谷ありの、在宅生活3年と3ヶ月。

これまでも色んなことがあったけど、
その時々で、ほのさんのチームの方々や、
いろんな人たちに助けられて、ここまできた。

昨年の11月の転居などもあり、
サービスの使い方や、事業所が変わったりしたこともあったが、
ほのさんのおうちでの生活は、安定したものになっていた。

この秋、これまで利用したことのなかった、
「通う」というサービスの利用に伴い、
さまざまな未体験の問題などにも直面し、
あらためて色々なことを見直す、いい時期にあるのかもしれないと、
いま、シャワーを浴びていて、ふと思ったので、
忘れないように書き留めておこう。



今回の、呼吸器設定の問題と、
人口鼻のサイズアップに気付かずにきた問題で、
ほのさんの在宅チームについて、あらためて考えてみた。

ほのさんの在宅チームは、このように構成されている。

☆病院=月1通院(診察・カニューレ交換・必要時検査・物品支給・検査入院・緊急時対応)
☆在宅医=月1訪問診療(聴診・全身チェック・相談)
☆訪問看護=週3回(2事業所利用)(体調管理・各ケア・呼吸器回路交換・相談)
☆ヘルパー=日中週2回、夜間週3回(吸引を含めた各ケア・清拭・見守り等)入浴介助週2回
☆訪問リハビリ=週1回

そこへ今回、
☆日中一時支援=月3回(6時間以上 日中預かり)

という「通う」サービスが増えた。


それぞれの機関のサービスは、それぞれ単体としては、
非常にうまくいっていて、
本当に助けられている。

このような役割分担の確認をして退院してきたので、
そのかたちは、今でもその通りだ。

では、それぞれの機関同士の連携はどうか、という問題。

日常のほのさんの体調不良などについて、
かあさんが主に相談するのは、訪問看護だ。

かあさんのとった対応の確認をしたり、
アドバイスをいただいたりして、
大抵のことはそれでOK。

それでも、これまで遭遇したことのない事態だったり、
ちょっと心配な不調で、急を要することだったりすれば、
そうそうあることではないが、まず、在宅医の先生に電話して、相談する。

日中の時間帯であれば、
必ず在宅医の先生は電話対応してくださるので、
そこで指示をもらったりして、
そして、それで、大抵のことは急を凌げる。

結局、在宅医の先生に相談するか、
それとも、病院に電話して搬送するか、
大きな不調のときはこの2択なわけで、
その選択も、いまのところ、判断がつく。



で、このフローチャート的な判断、対応を、
次の月1の通院時に、
病院の主治医には報告し、
その時点でも解決していないようなら、
必要に応じて、検査なり、投薬なりが行われる、という順序。

つまり、訪問看護から病院主治医へ、とか、
在宅医から主治医へ、とか、
その間におきたことについて連絡がいくことは、
ほぼまれ、で、
かあさんが、報告するわけだ。




少し、話がそれる。

先日、10月29日、埼玉県大宮にて、
「第1回小児在宅医療支援研究会」というものが開かれ、
参加してきた。

日本全国から演題が発表され、
いま現在、小児在宅の分野の取り組みが、どのように行われているのか、
現場の医師や看護師、そのほかコメディカルの方々が、
どんなことを目指して取り組み、
そして問題点は何なのか、
これまで参加したどのシンポジウムよりも活気があり、
学ぶことも多かった。

さまざまな事例、事業などの報告を聞き、
その上で、ほのさんの在宅チームについてあらためて考えてみると。



ほのさんの在宅医の先生は、
「在宅支援診療所」の先生ではなく、
小児科クリニックで外来診療をしている先生、
つまり、在宅の患者はいっさい診ていない先生に、
飛び込みでお願いして、
なんとかOKしていただき、
月1回往診していただいている、
というスタイルなのだ。

クリニック診療時間内は、
どんなときでも電話対応してくださるが、
24時間連絡がつくというわけではなく、
例えば、採血や検査が必要になっても、
在宅ではできないので、病院に連れて行く必要がある。
(正確には、できないので、ではなく、
検査や処置は、病院で、という役割分担で引き受けていただいたので)

その分、往診時には、
その間にあった、ほのさんの不調のときの話、
かあさんがとった対応、
考えられる原因など、
詳しく相談にのっていただくことができている。

一方、病院はというと、
月1回の通院の時に、主治医の先生に、
在宅医の先生に相談するよりは、遥かにかいつまんで経過をお話しするのだが、
その時点では、その症状は治まっていることも多く、
そうでなければ、検査や処置が必要になり、
そうなれば当然、検査や処置をして、その後の経過に当然注目していくことになるので、
在宅でどのようにしているかということは、
やはり十分には伝えわりにくい。


小児在宅医療支援研究会などで報告され、
また、構築を目指している「在宅医療支援ネットワーク」は、
我が家のようなスタイルではなく、
在宅支援診療所が、がっつりと全てを受けおい、
在宅生活を支えていくというものであり、
だからこそ、小児を引き受けてくれる在宅支援診療所が少ない、
という話にもなるのだろう。

(まあでも、我が家のように、
在宅を全くやっていない小児科開業医の先生が特別に往診に出てくださる、
という例は、なおさら少ないのだろうと思うが……)

ここで疑問に思うのは、
在宅支援診療所が、
普段の体調管理から、点滴やら処置やら、24時間対応して、
物品の支給などもして、
カニューレ交換から、呼吸器回路交換まで何でも請け負った場合、
緊急時にどうしても入院しなくてはならないときや、
レスパイトを希望するときなんかは、
病院や施設などは、
一体どうやってその子のケアの仕方を把握して診るのだろう……と。

月1回、通院しているほのさんでも、
なかなか入院したときなどは、ケアの仕方が難しい、という悩みを抱えているのだが。。


逆に、訪問診療で、全てが済むメリットというのも、
とてつもなく、ある。

まず、ほのさんのような子は、
とにかく、何はなくとも、
「移動」が大変だ。

「移動」の動作も去ることながら、
呼吸器のセッティングを変えたり、
荷物の準備から、防寒対策……、
そして、そもそも「移動」の手段も問題となるのだから。

そのことで煩わされることなく、
寒さや、病院へ行った時にする、感染の心配をすることもなく、
安心して、いつものお部屋で、
全てが済むのだ。

結局、月に1回、カニューレを交換しなくてはならない、
必要な衛生医療材料の支給をしてもらわなくてはならないから、
通院に行かなくてはならない、ということがあるからやむを得ないのだが、
できれば、本人の体調が安定している時は、
なるべくなら行きたくない場所、それが「病院」なのだから。


それぞれの方法で、違った問題があるのは確かだが、
ほのさんが「在宅患者」と呼ばれながらも、
たびたび、「で、結局、誰が診てくれてるわけ?」というギモンが浮上するのは、
いまのほのさんの在宅チームの役割分担(特に病院と在宅医)に
その理由があるのかもしれない、と思う。




まあ、何はともあれ、
我が家は、このチームで今後もやっていくわけだ。

ほのさんのチームには、ほのさんのチームの良さ、強みもある。

いま一度、考えたいことは、
それぞれの機関の、連携。

それがなぜ必要かといえば、
ほのさんの全てを把握していて、
全てのことができる機関がなくとも、
連携することによって補えるから。

そうすることで、
今回のような人工鼻サイズアップ見直し事件みたいな
「盲点」がなくなるはずだ。


どこへいっても指摘されるようになった、
「ケアマネ不在」問題だが、
サービス調整のみならず、
この「連携」の場面でも、
その存在は、必要不可欠だ。

そう考えれば、サービス調整なんて、
ホントはそこまで大変じゃないかも、とさえ思えてくる、ほど、
ケアマネの代わりに、家族だけが頑張ってみても、
「連携」できるもんでもない。

日々の体調のコントロールや、不調への対応に、
神経をすり減らす中で、
「連携」みたいな問題について考えることは、
正直、結構、辛い……。


だが今日は、そんなかあさんの悩みを、
信頼する訪問看護師さんに相談したところ、
あらたな「連携」の方法を提示して頂くことができ、
早速、それを試してみることにする。

ほのさんの「在宅生活」についての考察、あるいは決意表明。_f0199379_2139864.jpg


ほのさんが生まれてからの4年間のことだけを見ても、
小児在宅に関する動きは活発に変化している。

だが、それがほのさん個人の生活に反映されるまでか、
といったら、それはなかなか難しい。

整わない制度、足りない資源の中で、
それぞれの機関の方々が、無理をしながら役割分担をし、
いまのチームを築いてきてくださったことは、
何にも代えがたい、誇りだ。

小児在宅のシステムが構築されつつある途中段階で、
こうして在宅生活をしてこれたのは、
ほのさんと我が家のニーズに沿って、
色々なことをカスタマイズできてきた、という素晴らしさもあるのだ。

画期的な変化や、目覚ましい発展は難しくとも、
「ほのさんのチーム」という、
超ミクロな捉え方で、これからもやっていくしかない。



ここ何日か、頭を悩ませ、
悶々としていた、非常に難しい問題について書くつもりが、
なんか結局、決意表明みたいになっちまったという。

それもこれも、
ほのさんの輝くいのちと、
それを支えてくださっている、みなさんの、
おかげに、他ならない。





 
by honohono1017 | 2011-11-01 21:33 | normalization
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