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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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「障害者総合福祉法の骨格」について考えてみたー。

長月。

新しい月のはじめは、
台風が日本列島直撃で、
大荒れの幕開けとなった。

台風、低気圧、季節の変わり目……
徐々に、ほのさんにとってはキビシイ時期となっていくが、
負けてはおれん。



さて、現在「ほのさんのバラ色在宅生活」は、

「障害者自立支援法」

という法律により、
さまざまな支援を受けることで成り立っているのだが、

その法律のさまざまな不足、問題点を受けて現在、

「障害者総合福祉法」

という新しい法律の制定に向けて、
議論がすすめられている。



「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言(案)」
平成23年8月30日
障がい者制度改革推進会議総合福祉部会

とやらを、読んでみたのであーる。


ちなみに
「障害者総合福祉法」は、
障害者自立支援法の最大の問題と言われてきた

「応益負担」を廃止し、

「制度の谷間」のない支援の提供、
個々の地域生活支援体系の整備等を内容としているそうで、
平成24年常会へ法案提出、

25年8月までに施行を目指しているそうな。



ほのさんは、生後9ヶ月で、
念願の「在宅生活」デビューを果たしました。

生後9ヶ月といえば、
まだ、ほんの赤ちゃん。

何が大変だったかといえば、
在宅生活を送る上で要となる「障害者自立支援法」に定められたサービスが、
全くと言っていいほど、
赤ちゃんやこどものことは想定せずに作られている、ということ。

赤ちゃんですけど、支援が必要やねん。

と説明したところで、

「障害者」の中に「障害児」が含まれていない、

柔軟に解釈して「含めた」としても、

実際に支援を担ってくれる事業所がない、

という八方塞りな事態にたびたび直面したわけで。



まず、今回の新法「障害者総合福祉法」で、

「障害(者)の範囲」、
つまり、法の対象規定に、

「障害者(障害児を含む)」と明記されようとしたことは、

言ってみれば、
やっとスタート地点に立った、
そんなところです。
やっと、ね。



ほのさんの「バラ色在宅生活」が始まってまもなく、
予想以上に過酷な生活に、
度々、救急搬送されたかあさんでしたが、
そこで考えたのは、

障害者自立支援法の「重度訪問介護」を申請して、
主に夜間、長時間にわたるサービスを受けよう。

ということでした。

が。

役所にといあわせたところ、

「重度訪問介護は15歳以上」と、ピシャリ。

そんでもって、例えばなんとか認めてもらったところで、
「重度訪問介護」を引き受けてくれる事業所自体も無い、
という悲惨な現実を知ったわけです。

(この詳しいやりとりについては
拙著「ほのさんのいのちを知って」エンターブレイン
に記しておりますので、ぜひ。。)


じゃあじゃあ、新法では、どうなのよ、
というのは、当然、気になるところ。

新法においては、支援体系そのものが
大幅に変更されるようですが、

ありました、よ、

「重度訪問介護の発展的継承によるパーソナルアシスタンス制の創設」と……

なになに、パーアシ制って(←勝手に略ってみた)って話ですが。

訳せば「個別支援」とゆーことで、

① 利用者の主導により
② 個別の関係性の下での
③ 包括性と継続性を備えた生活支援
である、というのですが、
わかりにくいですね。。

つまり。
我が家の話に置き換えますよ。

①支援を担う事業所や、ヘルパーさんが、
ではなくて、
ほのさんがイニシアティブを持って、
(かあさんが通訳しますが)

②はい、今日はこのヘルパーが行きます、
えっと、今日はこっちのヘルパーが行きます、
なんていう不特定の方が介助を担うのではなくて、
ほのさんが信頼して
あたしのことまかせられるわよ、
と思う人が、ほのさんの支援に当たる

③これまではね、
体を拭いて、お着替えして欲しいんだけど、
はい、それは「身体介護」です。

じゃあじゃあ、病院に一緒に連れて行って欲しいのよ、
はい、それは「通院介護」です。

みたいに、ほのさんの望んでいることはいろんなことがあるのだけど、
それぞれが、はい、それはこっちのカテゴリー、
で、そっちのは、また別のカテゴリー、
なので、申請してくださいよ、時間数決めますから、
みたいなことになってたわけですが。

それをね、これまでみたいに分断していると、
ほのさんの生活と一体化した支援じゃないでしょ、
だから、いろんな支援を継続的に、
比較的長時間、可能にしましょうよ。




ということだそうです。

もちろん、
「現行制度においては重度訪問介護の対象となっていない
障害児童についても対象とする」 のです。

まあ、そんな風に聞くと、
いかにも素晴らしい制度にガラっと変わる、
みたいに思われるかもしれませんが。

現行法においてもですよ、

ほのさんの支援に関しては、
誰でもできるわけではないですから、

何?こども?
医療的ケア?

いやいや、やりますよー。
がんばりますよー。
夜ですか?
いいですよー。

という素晴らしい事業所との出会いに恵まれた2年前の秋以来、
ヘルパーTさん(メンズ)に、まず、
ほのさんの医療的ケアを含む全てのことを覚えていただき、
最初はもちろん家族が付き添い、
徐々に、一人でやっていってもらい、
今では素晴らしく何でもやっていただいてます。

この2年の間に、
ヘルパーTさん(メンズ)が体調不良になることたって、
当然ありましたし、
我が家的にも、「Tさんがいないと成り立たないほの家の生活」
というのではマズイ……
とだんだんと思うようになり、
事業所さんのほうでも、
Tさん以外にも、ほのさんのケアができる人を、
と考えてくださって、
今では、
日中のケア、入浴介助、夜間のケア、全部あわせると、
5人のヘルパーさんが、
ほのさんと我が家の生活を支えてくださるまでに、
なったのです。

現行の「重度訪問介護」を利用するような重度の方は、
きっとほのさんのように、
「今日はじめて来たヘルパーさん」ではできないようなケアも
当然たくさんあるでしょうし、
パーソナルアシスタンス制は理にはかなっているけれど、
一人が担えればいい、
というわけにもいかない現状もあるわけです。

地域で安心して生活していくうえでは、
とにかく、
ほのさんのことを知っていて、ケアができる人が
一人でも多くいてくれたら、
という願いがずっとありましたし、
我が家のパーソナルアシスタントは、
間違いなくTさんであると思っているし、
そのTさんを中心に作られた素晴らしいチームに
支えられて、いまなお、生活しているというわけなのです。

いかに、制度が後をいっているか、とゆーことですよ。

そして、日本全国、
子どもだろうが大人だろうが、
吸引が必要だろうが、
呼吸器ついていようが、
どんな人でもみてくれる事業所が増えていかなくては、
こんな制度は絵に描いた餅でしかなく、
その人材をどうやって育ててていくのか、
それに見合った報酬はどうするのか、
ってゆー話になってくるわけですね。

平成23年の社会福祉法及び介護福祉士法の改正により、
平成24年度から、吸引と経管栄養について、
研修を受けた介護職員も行えるようになるわけですが、
そんなこと、言ってる場合じゃ、ないんですよ、

いま、この瞬間にも、
痰は出るし、
ごはんだって、注入するんですよ、
生きてるんですからねー。




これまでも、「ケアマネ不在問題」については
何度か書いててきたと思いますが、
在宅生活で利用するさまざまなサービスの申請や事業所探し、
まあとにかくたくさんの調整や連絡が日常的に必要なわけですが、
それらをね、介護保険では「ケアマネージャー」という専門職がいて、
その人がうまいことやってくれるわけですけど、
現行法の「障害者自立支援法」では、
そういう立場の人がいないもので、
全部、必然的に、家族がやっているわけです。

役所に出向くこともできない、状況でね。。

現在の相談支援事業というものが、
個別的な対応もできないし、
年齢によっても分断されているし、
ここでは無理です、いや、うちでも無理です、
みたいな「相談たらいまわし」現象も指摘されており、
あるいは、障害者の地域生活に関る相談というものが、
いろんな職種、いろんな機関にわたるもので、
その連携が必要である一方で、
それらの連携、調整を行う制度的な枠組みもなければ、
それらに該当しそうな専門職の人材も不足していますよね、
って話です。

「ワンストップ相談」を心がける、って言いますけど、
普通、相談を受ける側がちゃんとしてれば、
相談は「ワンストップ」であるはずでしょうし、
いろんな分野に渡る難しい相談内容であることは確かですけど、
それを知りながらも、これまで見逃してきたとゆーことですよね。

今後、そのむつかしい相談にあたる、
相談支援専門員とゆー人々が設置されるようですが、
その位置づけに、
「サービスが不足しているときは必要なサービスの開発につなげる」
とまでしてしまって、
新たな社会資源を生んだり、
うもれている社会資源を見つけるとゆーことが、
どれほど難しく、
だって、これまで、すでに存在してるでしょ、
と思われる社会資源だってうまく利用できないような法律だったくせに、
突然、大きく出たわね、
みたいな印象も、持ってしまいます。。



さらに、

障害児の「ケアマネジメントと個別支援計画」というところもありますよ。

「障害児相談支援事業所」というところが、
障害児や家族にとって身近な地域における支援を利用しやすくするために、
福祉、教育、医療等の利用するサービスを一つの計画、
「個別支援計画」として策定するのだそうですよー。

いまの状況は、
福祉、教育、療育、医療は、
完全に、スパッと分断されています。

そもそもね、教育は学校、
医療は病院、
そんな風にスパッといかないのが、
障害児ですよね。

ほのさんのように超重症で、
学齢期前のこどもなんか、
なーんも知らなくて家にいたら、
「療育」という世界も全く知らずに過ごしてしまうし、
下手したら、おうちではベッドに寝たまんま、
行くのは月1の病院で、
先生に相談するのは、体調のことののみ……
みたいな、せまーい世界になり兼ねないのです。

もちろんね、
元気に毎日過ごせればいい、というのはあってもね、
超重症児にだって、
「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されているわけでしょうよー。

そしてそして、
障害児への支援は、
同時に家族への支援、
きょうだいがいる場合は、きょうだいへの支援も、
欠かせないのですよー。




まあまあ、そんなことで、
これまで、ほのさんとの「バラ色在宅生活」の中で
リアルに感じてきた現行法への問題が、
いままさに議論され、
新しい法律へと移行しようという時期。。

大いにね、目を光らせんと、とゆーわけですが、
気になるのは、やっぱり、
その「財源」ですよね……。。

「財政のあり方」の項を読み始めて、

「社会資源の実態を把握し、
予算措置に必要な基礎データを把握するべきである」

とゆー文字をみて、
ひじょーに深いため息をついたところです。

障害者総合福祉法の骨格提言にあたって、
あわせて財政面の積算を行うべきかもしれないが、
そのための基礎的なデータがあまりにも不足している

のだそうな……。



確かにね、
今回も、ほのさんが新しいサービスを利用することが決まり、
いろんなことを調べていたわけですが、
そのサービスに関る自治体の予算をみつつ、
ほのさん居住区の超重症児が、
「推定125人」と書かれていたのを目にして、
ああ、自治体規模であっても、
きちんとした数字が把握できていないんだな、
とゆーことを、目の当たりにしたわけです。

それで、どうやって予算、組むんかい、
とゆー話ですよね、ホントは。

推定、ってあまりにも失礼な話じゃないですか。

市や保健所にはね、
ちゃんとした数の把握と、
実態を調査してくださいと、お願いしたこともありましたが。



これから良い法律にして行こう、
とゆー時に、
なんだか辛口でテンション低いのは、
やっぱりね、
いままさに、
「生活しているから」
とゆー一言に尽きるわけです。

新しい決め事を作って、
それをやりはじめて、
軌道に乗るまでのことを考えたら、
10年単位の話になるのは当然です。

ただね、「いのち」のことを考えたら、
10年先のことはわからないのです。

そうやって、問題だらけで、窮屈な地域生活かもしれないけど、
それでも「いま」、
たくさんの人に支えられて生きている、障
害を持った人たちに関ること、
もっと言えば、
社会全体の問題なんた、
ということを思ったら、
いまからできること、
あると思うんですよ。

問題は指摘されている。
それに伴って、法律が変わる。

それまでの
「端境期」になっては、困るのですよ、
「いま」が。



変えていくのなら、
いまから、やりましょうよ、ね。
柔軟に。





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