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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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この週末の、エトセトラ...

暑かったり、急に冷えたり、
忙しいのは季節だけでなく、
ほのさんの体調も、日替わり。

季節には抗えないけれど、
それに負けない強さが欲しいと願うのは、
毎年のこと。


土曜日のはなし。
月に1回の往診の日。

いつも痰の出し方、
スクイージングと体位ドレナージの悩みをかあさんが
話すので、
T先生が、肺の構造と、
どの部分に痰があったら、
どういう体位をしたら出しやすいか、
ということがわかりやすく書いてあるものを、
持ってきてくださった。

感覚的にわかってはいるが、
もう一度、これを見て整理しよう、と言うと、

まあ、わからなくなったら、
何がなんでも『がんばって』出せばいいんだけどね...

と、先生が笑っておっしゃった。

先生の、この気構えの大らかさには、
いつもずいぶんと助けられる。

毎回1時間ほど先生とお話するのだが、
そろそろ時間かな、という頃、

ほのちゃんと初めて会って、
ちょうど今月で3年じゃないかな。

と、先生がなんとも優しい笑みを浮かべながらおっしゃとた。

その先生のお顔を見たら、
一瞬にして胸がいっぱいになったと同時に、
3年前の今頃のことや、
これまであった、たくさんのことが、
そーまとーのように、
頭の中を駆け巡った。

往診にいらっしゃる前に、
ほのさんのカルテをひっくり返して見て、

この3年の間に、危ない、ということが2回くらいあったけど、
『3年』が経ったねえ。

と、先生も遠い目をなさった。

まだ、ほのさんが小児科に入院中、
特に往診などはなさっていないが、
どうしても先生にお願いしたいという我が家の強いきぼうで、
在宅医を引き受けてくさった先生が、
ほのさんの病室までわざわざ会いにきてくださったのが、
5月の連休も終わった、ちょうど今頃。

まだほのさんはほんの7ヶ月の赤ちゃんで、
とうさんかあさんも、
ほのさんのお世話を覚えることで、
てんてこ舞いだった。

『3年』という月日がたつ、
ということすら想像がつかなかったあの日。

ほのさんはスクスクと女の子らしくなり、
穏やかで楽しい、
家族の生活をしている。

その上、引越までしちゃったね...

と、みんなで笑った。

和やかな先生との時間も終わり、
とうさんがいつも、先生をクルマのとこまでお見送りするのだが、

おうちに連れてかえって良かった、
みんなで一緒にいられて幸せだっていう姿を見られて、
その手伝いができて嬉しいよ。

と、先生がとうさんに、
おっしゃっていたらしく。

先生のお気持ち、
たくさんの出会い、
感謝しなくてはいけないたくさんの事柄が、
浮かんでは消え、
また浮かんでは消え、
心の奥にぽっと、
灯りがともったようだった。

ほのさんの、いのちのともしび、
その、輝き。



日曜日。

みたい、みたい、みたい、
と呪文のように言っていた、
フェルメールをみに行って来た。

もちろん、フェルメールもみたかったのだが、
遠い、面倒くさい、
と言って行かないで、
会期が終わってから、
あー、やっぱり見にいけばよかった...
とウダウダ言う自分が目に見えていた、
ということもあり...

お目当てのフェルメールは、
『地理学者』の一点で、
そのほかは、17世紀の、
オランダ、フランドルの絵で。

民俗画では、酒や煙草をモチーフにすることが、
当時の流れである、という旨の解説があったのだが、

その表現があまりに面白く、メモってしまった。

『喫煙と飲酒は、
一方が体を干あがらせ、
もう一方はその埋め合わせをする、
相互に補完しあう、悪徳』と...

そういえば、いきの電車の中で読んできた、
カートヴォネガットはこう言ってたな、と思い出した。

『タバコの一方の先には火が、
もう一方には愚か者がいる』
(カートヴォネガット氏は、
12歳から喫煙...)

その後待ち合わせをしていた、
愛煙家のKくんには、
もちろんこの名言を教えてあげた。

まあ、かく言うかあさんも、
もひとつの『悪徳』を、
しばしば、重ねているのだが。

Kくんとの時間は、
この3年の間、かあさんが見つめてきたもの、
心の変化、
気づかなかったことを、
たくさん発見する時だった。

ほのさんは、この秋、
4歳になる。

ほのさんなりの、自立、
かあさんの自立、
そんなことも、考える。



そういえば、
ほのさんのおみやげにと、
カフカの『田舎医者』を、
山村浩二が絵本にしたもの
を買ってみたんだけど、
ちと、難しく、怖かった。
まだ、早いか、
カフカは...
by honohono1017 | 2011-05-23 19:05
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