ほのさんのバラ色在宅生活 |
疲れが出た。
とうさんかあさん、交代で数時間横になった。 朝5時から5時半の間に、今日の計画停電の決定があると聞いたので、 その前からTVをつけて起きていたが、 見事に寝落ち。 結局、予定開始10分前の6時10分にとうさんに起こされる。 しばらくボーっとTVをながめているが、 予定開始時刻を過ぎてもニュースは流れない。 ほのさんのケアを始める。 ほのさんに対しても余裕がなく、 淡々とケアを進める自分。 朝のミルク、いただきますをして、 また計画停電の知らせをどこかで流していないかと、 無言でチャンネルをかえる。 しばらくして7時から3Gの停電開始とテロップが流れるが、 居住市の一部、としか書かれていない。 結局、我が家は停電を免れた。 とうさんは仕事に出かける。 ほのさんのような生活をしている人にとって、 停電そのものに対する備えができているからといって、 それで全てOKというわけではない。 電源の切り替えに伴って、 体温をいつから上げておくかとか、 注入や用手排尿などのケアをいつ、済ませておくかとか、 そっちのほうが、大変なわけだ。 突然の停電なら仕方ない。 一旦、計画停電だと言われてしまったから、 来るものが来ない、とストレスになっているのもわかる。 こんな時だから、仕方ない。 常に、ライフラインが確保されているのだから、 恵まれているのだ。 わかっている。 わかっているのだけど、 こんなとき、自分の心の中を閉じ込めておくことは、 よくないことだと思うので、 あえて書いておく。 時間が経つに連れて、 怖くなった。 ミシミシと大き揺れ、 物が落ちて割れる。 かあさんはただ、ほのさんに覆いかぶさっているさかなく。 とうさんや家族とも連絡が取れない。 電話も通じない。 何かあっても救急車も呼べない。 これまで二度経験した、 ほのさん呼吸不全での緊急事態とは、 全く、違う恐怖。 自分が何をしたらいいのかわからない。 このあとどうしたらいいかわからない。 元気なほのさんを、自分の行動いかんによっては、 怪我させてしまうかもしれない... 落とさなくて済むいのちを、 落としてしまうかもしれない... そんな恐怖を感じながらも、 それが何日かしないと、自分でも感じられなかった。 災害、ということ。 被災地の方々の心のうちを思うと、 言葉が出ない。 被災者も、支援者も、 いま、日本中が、 大きな痛みとストレスの渦の中にある。 不安や恐怖を抱え込まず、 吐き出そう。 これまで抱えてきた痛みが、 これをきっかけにまた表に出てしまう、 ということにも気をつけたい。 ほのさんのバラ色在宅生活というものは、 いかに恵まれた環境の中で送ることができていたのか、 身に染みる。 いのちについて、 いのちの尊さについて、 本当はまだ、これっぽっちもわかってはいなかった。 たくさんの失われた尊いいのちのご冥福を祈るとともに、 いまあるいのちが、 お互いに大切にしあえますように。 これまでかあさんは、 ほのさんを『介護』しているとは、 一度も思ったことはなかった。 しかし、この先が見えない緊張の連続の中で、 この何日か、 ほのさんに対して、 『介護』や『看護』の側面ばかりが際立つ。 母親らしいことができていない。 ほのさんが、不安を感じ始める前に、 いや、もう少なからず感じていると思うが、 いつものかあさんでいられるように、 今晩は、ヘルパーさんにお任せして、 ゆっくり休息したい。 みなさんのご無事と、 元気なこころを祈って。
by honohono1017
| 2011-03-15 17:19
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