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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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『良い方向』の、実感。

ここ10日ほど、
ほのさんの具合がすこぶる悪く、
日内変動なのか、朝から午前いっぱい、
ひっきりなしで体を持ち上げたり揺すったりの排痰、吸引で、
下痢もかぶって、
何をいつどれだけ注入するかなど、
その時その時で微調整しながら様子をみて、
神経をすり減らす毎日だった。

そんな中、今日の午後は往診。
薄々、そうじゃないかな、と思ってたけど、
案の定、今日は朝から落ち着いていた。
(先生がいらっしゃる日や通院日は、決まって安定..)

在宅医のT先生に、ここのところの経過を話し、
どう対応するかなど、いろんな質問をし、
また理解が深まったのだが、
かあさんは、この間の自分の気持ちを聞いていただいたことで、
なんだかとてもホッとし、
自分の背負っていたものが軽くなるように感じた。

今回の、感染の無い無気肺では、
入院するか、自宅でやるか、天秤にかけたら、
『自宅』が選択されるのはもちろん納得のことだが、
肺のコンディションが悪いことに伴って、
色んな症状が出て、それにどう説明をつけて、
どう対応するか、といいことが求められたわけだ。

かあさんにしてみれば、
前回の呼吸不全で二酸化炭素が120にもなって、
脱水+下痢のような症状もあったという経過が重要だった。

それをふまえた対応は、
何がどう関連していて、
原因が何なのか明らかでないことも多いから、
『これまでのほのさん』という教科書を開きながら、
他に何も後ろ盾が無いなかで、
毎日の緊張と共に判断することは、
正直辛かった。

平行して、
『新しい在宅チーム』という大きな課題も抱えていて、
後ろ盾体制が以前とおりでないことも、
少なからず影響していたかもしれない。

そういう状況が、現在の『在宅』というものであるのは、
もちろん、よくわかっている。

こうして、かあさんの心のうちを聞いてくださる先生がいてくださるだけ、
かなりの幸運だ。

牛乳を10本買ってしまうくらいの失敗ならよい。

だが、ほのさんの不調が続き、説明のつかないエピソードが続くと、
『自分やっていることに自信がもてなくなる』と先生に打ち明けたところ、
『ルーチンの確認などはできるだけ怠らない方がいいが、
僕は、お母さんのやってること、間違いないと思う』
とおっしゃった。

それで、ふっとラクになった。

ほのさんと暮らす時間が長くなれば、
とうさんかあさんの、ほのさんに対する理解者は深まる。
スバラシイことだ。

そうなれば、判断がつくようになり、
自宅でできることは増える。
ムズカシイことだ。

A先生は、在宅を始めた二年半前から、
同じことをおっしゃる。

『答えはない。何かを動かすより、辛くともじっと見守ることが必要なことも多い。
病状は、経過だ。
答えがなくても、良い方向なのか、悪い方向なのかを見極めよう。』

その先生の言葉が、いまようやくわかり始めてます、と言ったら、

『そんなにわからなくてもいいよ。
そんなによくわかるんだったら、
医者になればいいんだから』
と笑った。

『私は親だからやってるけど、先生はよく医者やってますね』
と、かあさんが言い、
みんなで笑った。

そして今日、
やっとほのさんが『良い方向に向かっている』と、
かあさんは感じていたのだ。
by honohono1017 | 2011-01-15 18:17
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