ほのさんのバラ色在宅生活 |
|
ここ10日ほど、
ほのさんの具合がすこぶる悪く、 日内変動なのか、朝から午前いっぱい、 ひっきりなしで体を持ち上げたり揺すったりの排痰、吸引で、 下痢もかぶって、 何をいつどれだけ注入するかなど、 その時その時で微調整しながら様子をみて、 神経をすり減らす毎日だった。 そんな中、今日の午後は往診。 薄々、そうじゃないかな、と思ってたけど、 案の定、今日は朝から落ち着いていた。 (先生がいらっしゃる日や通院日は、決まって安定..) 在宅医のT先生に、ここのところの経過を話し、 どう対応するかなど、いろんな質問をし、 また理解が深まったのだが、 かあさんは、この間の自分の気持ちを聞いていただいたことで、 なんだかとてもホッとし、 自分の背負っていたものが軽くなるように感じた。 今回の、感染の無い無気肺では、 入院するか、自宅でやるか、天秤にかけたら、 『自宅』が選択されるのはもちろん納得のことだが、 肺のコンディションが悪いことに伴って、 色んな症状が出て、それにどう説明をつけて、 どう対応するか、といいことが求められたわけだ。 かあさんにしてみれば、 前回の呼吸不全で二酸化炭素が120にもなって、 脱水+下痢のような症状もあったという経過が重要だった。 それをふまえた対応は、 何がどう関連していて、 原因が何なのか明らかでないことも多いから、 『これまでのほのさん』という教科書を開きながら、 他に何も後ろ盾が無いなかで、 毎日の緊張と共に判断することは、 正直辛かった。 平行して、 『新しい在宅チーム』という大きな課題も抱えていて、 後ろ盾体制が以前とおりでないことも、 少なからず影響していたかもしれない。 そういう状況が、現在の『在宅』というものであるのは、 もちろん、よくわかっている。 こうして、かあさんの心のうちを聞いてくださる先生がいてくださるだけ、 かなりの幸運だ。 牛乳を10本買ってしまうくらいの失敗ならよい。 だが、ほのさんの不調が続き、説明のつかないエピソードが続くと、 『自分やっていることに自信がもてなくなる』と先生に打ち明けたところ、 『ルーチンの確認などはできるだけ怠らない方がいいが、 僕は、お母さんのやってること、間違いないと思う』 とおっしゃった。 それで、ふっとラクになった。 ほのさんと暮らす時間が長くなれば、 とうさんかあさんの、ほのさんに対する理解者は深まる。 スバラシイことだ。 そうなれば、判断がつくようになり、 自宅でできることは増える。 ムズカシイことだ。 A先生は、在宅を始めた二年半前から、 同じことをおっしゃる。 『答えはない。何かを動かすより、辛くともじっと見守ることが必要なことも多い。 病状は、経過だ。 答えがなくても、良い方向なのか、悪い方向なのかを見極めよう。』 その先生の言葉が、いまようやくわかり始めてます、と言ったら、 『そんなにわからなくてもいいよ。 そんなによくわかるんだったら、 医者になればいいんだから』 と笑った。 『私は親だからやってるけど、先生はよく医者やってますね』 と、かあさんが言い、 みんなで笑った。 そして今日、 やっとほのさんが『良い方向に向かっている』と、 かあさんは感じていたのだ。
by honohono1017
| 2011-01-15 18:17
|
以前の記事
カテゴリ
最新のトラックバック
お気に入りブログ
ライフログ
タグ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||