ほのさんのバラ色在宅生活 |
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昨日の通院。
無事、行って来ました。。 出発1時間半前頃には下痢も止まり、 サチュレーションも安定。 念のため、酸素0.25で様子を見ていたけど、 安定しているし、 何より、顔つきが明らかに良くなっていた。 それなら、と、 ほのさん、がんばっていこうね、 せんせいに、みてもらおうね、 と声をかけながら、慌てて準備。 ヘルパーTさんがお迎えに来るころには、 いたってご機嫌になっていて、 バギーに乗ってからは、酸素オフにしても、 ずーっと100点満点……。 朝のバギング+下痢がウソのよう……。。 それでも、せっかく病院に行くからには、 念のため胸部レントゲン+血液検査は必至…… と覚悟で向かった。 車中でも、 おひさまサンサンで気持ちよくドライブを楽しんでいる様子で、 これでひとまず無事に病院にたどり着けるという安堵と、 なんだか拍子抜けした……という感じと、 複雑な、かあさん……。 20分ほど待って診察室へ入ると、 ほのちゃんげんきだった~、 と優しく声をかけてくれる主治医A先生に、 顔に縦線の入ったかあさんは、 いいえ、げんきじゃ、ないんですぅ~と。 ここ2週間ほど、痰と格闘していること、 今日の出来事などをざっとお話し、 とりあえず胸の音をきいてもらう。 案の定、 悪くない……。。 出がけ、黄色いおもーい痰がズルッと引けて、 その後、かあさんが確認したときも、 胸の音はすこぶる改善していたから、 肺炎などになっている、というよりも、 奥の方にいすわった重い痰があるのか、 一時的に痰が多くなるのか、という感じだろうなあとは 思っていたけど。 結局、A先生の判断で、 この胸の音ならレントゲンには至らん、ということで、 念のため、血液ケンサ。 かあさんは処置室の外に出されて、 ほのさん、きっといつものように、アラーム鳴らして抵抗するんだろうなあ、 と思いながら、じっと待っていた。 血管の育っていない、ほのさんの採血は、 非常に時間がかかる。 なるべく血管を潰さないために、 傷つけて、そこから血を採るから、 処置室の曇りガラス越しに、 右手⇒左手、と先生が格闘している影が見えた。 しばらくして、アラームを鳴らすことなく終わり、 カニューレ交換。 いつものように、A先生と、かあさんと、 サササっと、済ます。 そうこうしている間に、 血ガスの結果があがってきて、 A先生が、不思議顔。 おかあさん、午前中、酸素入れてたんですよね? いまは、切ってきたんですよね? って。 見れば、二酸化炭素の値が27.5……。 酸素の値が97.6……。 そりゃ、先生も不思議顔になるわな。 感染はしていないけど、 二酸化炭素がたまって、酸素化ができてない、 という線も、これで消えた。 いいんだよ、何でもんきゃ、それで。 と、思っていたら、 検査室から、そのほかの項目について、 血が足らん、と連絡があり、 再びかあさんは外に出されて、採血、アゲイン。。 今度こそアラーム鳴らすか……、 と思ったけど、 ほのさんはじっと耐えていたようで、 待っているかあさんの方が、しびれを切らしてしまった。 血ガスに異常がないという時点で、 炎症反応やその他の項目もおそらく問題ないと思ったし、 ほのさんが、入院になったら困る、と気付いて、 頑張って元気にしているのも、 かあさんには、わかっていた。 でも、だからって、もう採血はいいです、 ってわけにもいかないし、 大丈夫だろうといったところで、根拠はないし、 でも、かあさんには、わかるんだ、とか、 処置室の中で、一人じっと堪えているほのさんを思ったら、 40分は、1時間にも2時間にも感じられるし、 この先の引越しの予定やら何やらが、 ガーッと頭の中に押し寄せて、 どうしようも、なくなってしまった。 そんなかあさんをよそに、 時間はかかったものの、 1回もアラームを鳴らすことなく採血を終えて出てきた、ほのさん。 えらかったね、ほのさん。 いっぱいちっくんされて、だいじょうぶだったの? ならさなかったね。 と、声をかけると、 かあさん、かあさんががんばっておいで、っていったでしょ。 それに、あらーむならしたりするのは、 2さいまで。 あたしは、もう、3さいの、おねえさんだもの。 と、言う。 ……なるほど。そうか。 なんだほのさん、えらいな。 かあさんは、もう、しんぱいで、しんぱいで、 どうしようも、なくなっていたというのに。。 それから結果がでるまでに、1時間はかかる。 病院の中だから、うろうろするわけにもいかないし、 ただ、待つしかない。 その間も、ほのさんはずっと100点で、 本当に「いい子」にしている。 もうちょっとだからがんばろうね、 と声をかけるかあさんだけど、 ほのさんのため、というよりは、 ほとんど自分に言い聞かせ。 ところが、しばらくすると、 痰がある様子でもないのに、98、99をウロウロ。 どうしたの、ほのさん。 そろそろ、げんかい? と声をかけるのだが、 待ちくたびれた、というよりは、 ほのさんは何かを、言いたいのだ。 すぐにかあさんもわからなくって、 どうした、どうした、 と話しかけていると、 ハッとした。 かあさん、そろそろ、 こきゅうきの、ばってりー、かえて。 ! そうか、バッテリー! 待ち時間が長いのは久しぶりだったので、 呼吸器の外部バッテリーを交換するのを、 すっかり忘れていた、かあさん。 ごめん、ごめん、 と言って、急いで、交換。 ほのさん、ありがとう、おしえてくれてたすかった! その様子を見ていた、ヘルパーTさん。 ほのちゃんは、そんなことまできにしているの。 すごいね。 と言うもんだから、 あのね、Tさん。 そんなことまでっていうけれど、 あたしにとっては、 とってもだいじなことなのよ。 と涼しい顔。 そして、再び不動の100点。 そろそろ、ほのさんはおしっこをしたい時間のはずだけど、 もうすぐ、1時間が経つから、 結果が出る頃。 いま、席をはずしてその間に呼ばれてしまったら、 もっと待つことになる……。 「いつトイレに連れて行くか」の判断は、非常に難しい。 体温も下がってしまうし、 「早く連れて帰る」のか、 我慢させないで、「トイレに連れて行くのか」。 苦渋の選択だ。 今日は、とにかく、 先に結果を聞いてから、 トイレに行って、帰る、 それがベスト、と判断したのだが。 結局、この「トイレ問題」に悩みはじめて間もなく呼ばれ、 案の定、問題ない血液検査結果を聞き、 このところの排痰の苦労や、 カフアシストの話などを先生にしていると、 ピーッピーッピーッ! と、ほのさんが呼ぶ。 慌てて駆け寄ると、 呼吸器がスポッと抜けていた。 実際は、 なんでもないなら、はやくかえろう! と、ほのさんが言ったのだが。 それで、かあさんもハッとして切り上げ、 ほのさん、えらかった、 まず、トイレ! と駆け足でバギーを押しだしだところで、 ほのさんも、緊張がゆるんだのか、 もう我慢ならん! と、顔を真っ赤にしはじめた……。 ほのさんは、なんでも、よくわかる。 かあさんが、思っているよりも、 なんでも、よおくわかっている。 かあさんが、採血がんばろうね、と言えば、 わかったよ、とじっと耐え、 もう少しおしっこ我慢しようね、と言えば、 わかったよ、とこらえ、 検査結果が心配ないとかわったら、 急に、トイレに行きたくなる。 駆け込んだトイレの中で、 ほのさんのお腹を押しながら、 かあさんは、たまらなく、 ほのさんが愛しくなってしまった。 こどもって、不思議だ。 こどもだと思っていても、 自分のいろんなことを、ちゃんとわかっている。 大人が思っているよりも、わかっている。 具合の悪いこどもを、 かあさんが病院に連れて行っているようで、 ほのさんは、ちゃんとひとりで頑張っていた。 3歳のほのさんは、 ちょっと、 見違えた。 そして、安心した、今日。 訪問看護師Nさんが、看護学生さんとともにやってきた。 いつものように、かあさんは、 寝室で休ませてもらったが、 ほのさんと3人で、 元気に歌を歌う声が、聞こえてきた。 その歌声は、 ホッとして疲れたかあさんの心にも、しみた。 ほのさんに、優しく話しかけてくれる、学生さん。 ほのさんお大好きな「はっぴいさん」も読み聞かせしてくれたそう。 「本を読む、ということだけではなくて、 『伝える』ということは、 看護師としても、人としても、大切なことだよ」 と、看護師Nさんの指導。 さっすが、Nさんだな、と関心してしまった。 そういうことを、身を持って教えてくれる人は、 なかなか、いない。 若い学生さんの目の輝きは、ただならなかったけど、 大先輩のNさんの貫禄も、負けてない。 かあさんが、 「看護師」という職業 というよりも、 「看護師」という人種が好きな所以は、ここにある。 なんていうか、 職人。 経験による自信と、 下を自分たちが育てるんだ、という気迫。 そういうところが、 訪問看護師さんって、強いと思う。 訪問看護師さんに常日頃助けられている当事者なのに、 お2人の姿を、なんだかとっても、 心強く、頼もしく、見てしまった。 何年後か、きっと、 看護師になってまた、 会えますように。 そのころには、ほのちゃん、 きれいな、おねえさんに、なっていてね。 と学生さんにいわれた、ほのさん。 それは、まかせてください! だって。
by honohono1017
| 2010-11-05 18:35
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