ほのさんのバラ色在宅生活 |
「16時28分、女の子!SpO250%で挿管!」
2007年10月17日、こんな連絡がNICUに入った。 3年前の今日、16時28分に、 ほのさんが、かあさんのお腹の中を出てから、 ほのさんがどんな時間を、 どんな辛い時間を、すごしていたのか、 どんな様子だったのか、 かあさんの中では、空白だった。 空白だったのだ。 だが、その空白を、 ほのさんの退院2周年の記念日(7月23日)に、 思いがけないことで、 埋めることが、できた。 だから、3歳を迎えた今日の16時28分は、 1歳のその時とも違い、 2歳のその時とも違い、 かあさんは、とても穏やかに、温かい気持ちで、 ほのさんの手を握りながら、 しみじみと迎えることができた。 空白の時間を埋めるきっかけは、 ほのさんのNICU時代の、 受け持ち看護師Tさんのおかげだ。 かあさんが今年はじめ、 このブログをまとめた本を出版させてもらったときに、 何気なく言った一言。 「この本は、まるっきり『かあさん視点』だから、 きっと、看護師さんや先生に書いてもらったら、 また別のストーリーがあるんだろうな……」 受け持ち看護師Tさんは、 このかあさんのことばを覚えていてくれて、 退院2周年の記念日に、 次のように題されたストーリーを届けてくれた。 『ほのさんとほのかあさん、ほのとうさんが家族になるお話』 それが届けられ、かあさんは正直、 とても面喰った。 嬉しかったのだが、 自分の知らないほのさんのはなし、 医療者から見た自分たち家族、 とてもとても辛かったあの日々のことが、 どのように書かれているのか、 読むのが、少し怖かった。 しかし、受け持ち看護師Tさんは、 「これはもう、ほの家のものです」 と笑顔で言っだ。 それで、 かあさんは、 その晩、ひとりでじっくりと、読んだ。 「5時前頃に保育器に入った赤ちゃんを先生たちが連れてきた。 でも人が多くて見えない。 何とか横から見ると、ほのぼのしたお顔の赤ちゃんが保育器の中にいた。 こんなときにそのお顔? この子、生きるな、生きられるな、と私の直感。 『かわいい子だね』と隣にいた看護師に声をかけると、 『そうなんです。かわいいですよねこの子。』って返事。 処置をしているO先生まで『うん、かわいい』と言う。 笑ってしまった。」 ![]() 「NICUの奥の方に、赤ちゃんに初対面しているお母さん、そしてお父さんの姿があった。 保育器にしがみつくようなお母さんの姿。 『必死』。 他の赤ちゃんは見えていない、いや、傍にいるスタッフも見えていないんじゃないかと 感じるほどに、ご自分の赤ちゃんにだけ必死に声をかけていた。 お母さんは、『ほのちゃん、ほのちゃん、大丈夫だよね、よくなるよね』 と、大きな声で我が子を呼んでいた。 私が近づいていることに気付いていないなと思った。」 「やっとお母さんと目があった。 『赤ちゃんのご誕生、おめでとうございます。 私、赤ちゃんの担当になりました、Tと申します。 これから赤ちゃんの成長を一緒に見守らせていただきますね』 はじめての挨拶って緊張する。 でも、なるべく明るめの声で挨拶した。」 ![]() 「2007年10月18日。 朝にはほのちゃんの痙攣は止まっていた。 生まれたときより、少しむくんだかな。 でも、相変わらず穏やかな顔をしている。」 「2007年10月19日。 一連の搾乳指導を行い、とうさんもかあさんも搾乳については積極的に聞いていた。 しかし、妊娠中のこと、出産のことなどはあまり話をしたくない感じだったので、 深くは聞けなかった。ほのちゃんのことに関しても、 『鎮静剤はどのくらいでやめる予定ですか?』 『いつ頃になると動き始めますか?』という質問が多い。」 ![]() つづく…… 読んでくれてありがとう。 ポチッとな↓ も、お願い! ![]() にほんブログ村 ![]() にほんブログ村 このブログ「ほのさんのバラ色在宅生活」が 本になりました♪ 「ほのさんのいのちを知って」 絶賛発売中☆ 紀伊国屋書店 TSUTAYA ONLINE eb!STORE アマゾンでも入荷したみたい。送料無料ですので、ぜひ。 ↓ ↓ ↓ ↓ アマゾンで「ほの本」購入
by honohono1017
| 2010-10-17 20:47
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