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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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ほのさん、荒井良二さんに会う、の巻。

ほのさん、きょうは朝からずーっと、ソワソワ。

そのわけは……

ほのさんの大好きな絵本作家、
荒井良二さんが、近くの美術館に、
サイン会に来るんだもん。

検査入院から帰ってからも、
完全に風邪が治っていないのか、
鼻水が、たまーに黄色かったり、
ミルクの飲み残しがちょっと多かったり……。

ほのさんが、とっても行きたがっているのも、
とうさんとかあさんが、
ほのさんととっても連れて行きたいのも、
ヤマヤマではあるけど、
当日のほのさんの体調次第、と思っていたのだが。

ほのさんは、今朝から行く気マンマンで、

じぶんのたいちょうはおっけーだから、
あとは、とうさんが、
せいりけんをげっとできるかどうかよ。

ってなわけで。

とうさんは、
ほのさんに急かされながら、
整理券配布1時間前に、美術館に到着。

美術館係の人に、
配布時間に来てもらえれば大丈夫ですよ、
と言われたのだが、
ほのさんとしては、
「もらえたよ」
という連絡がとうさんから来るまでは、
ソワソワ、ソワソワしどうしで。

無事、整理券をゲットしたとうさんが帰って来る頃、
外はどんより曇りだし、
雷がゴロゴロいい出した。

ほのさんは、
「はやくするのです、はやくするのです!」

と、ソワソワのピーク。

雨が降り出すといけないので、
ほのさんと呼吸器やら何やら、一式を、
バギーに積み込む作業も、
いつになくスピーディー。

あれよあれよという間に、
ほのさんは車に乗り込み、
いざ、美術館へ出発。

車の窓を打つ雨をみて、
ほのさんは、勝ち誇った様子で。

10分ほどで、美術館に到着。

美術館は、ホテルの中にあるのだが、
ホテルの地下駐車場の障害者用スペースに車をとめると、
美術館直通のエレベーターがすぐ近くにあった。

地下駐車場から、ホテルの中の様子などを一切水に、
エレベータのドアが開けば、
そこは美術館ロビー!

荒井さんの「太陽オルガン」のポスターがたくさん貼ってあって、
本もたくさん売っているようだし、
サイン会待ちの人たちも、もうたくさん、並んでいる。

とうさんが、美術館受付に相談に行って、
とうさんが列に並ぶことに。

ほんさんとかあさんは、その辺で待とうかなあ…と、
本の販売しているところを見ていたら、
係の方が、応接室でへ案内しましょうか、と
声をかけてくださった。

ほのさんに、いろいろ見せてあげたい気持ちもあったけど、
風邪も完治していないし、
ゆっくり待つところもないから、
どうしようかなあ……
と思っていたので、本当にありがたい!

応接室を貸していただいて、
ほのさんとお話しながら待っていると、
「具合はいかがですか?大丈夫ですか?」
「あと10分ほどではじまります。」
など、何度も係の方が、来てくださった。

うぅ……、なんて親切……。

ほのさんは、嬉しそうだけど、
でも、なんだか、どんどん緊張してきたみたい。

かあさん、ちょっと、かみのけをとかしてみてよ。

かあさん、ちょっとりっぷぬってみてよ。

かあさん、かあさん……



しばらくすると、キッズたちのはしゃぐ大きな声が、
応接室の外から聞こえ出した。

サイン会の前に開催されていた、
ワークショップが、終わったのだろう。

ということは、
もうすぐだ!

ほのさん、もうすぐ、あらいさんに、あえるよ。

かあさんも、少し、興奮してきた。

すると、ほのさん、
急に心拍をあげて、大きな声を出す。

あれれ、そんなにきんちょうしなくても、
だいじょうぶよ。
ねんのため、たんをとっておこうね。

そうい言って、吸引する。

間もなく、係の方が来て、案内してくれた。

もうすぐ、順番が来ますので、ゆっくりご準備なさってください。

は、はい、ほのさん、いよいよだよ。
ほ、ほのさん……


ほのさんは、あいかわらず心拍が高めで、
応接室をでると、
さっきより、人が増えている。

どうやら、列の向こうに荒井さんがいらっしゃるようで、
とうさんは、もう荒井さんの前に、並んでいるのだろう。

人ごみを整理してくれる係の人の後について、
ほのさんと進んでいく。

かなり注目を浴びたから、
ほのさんも、余計に、緊張。

かあさんは、そんなほのさんを見ていて、
おかしくって、おっかしくって、
かわいくて。

列の先頭に着くと、
順番まで、あと2番。

ほのさんと、ドキドキしながら待っていると、
とうさんの顔が見えた。

あとひとり……

ほのさんは、もう、顔が固まっている……

さあ、ほのさんのばんがきたよ!

とうさんに呼ばれて進んでいくと、
荒井さんが、ほのさんに気付いてくれた!

こんにちは。

小さな声で、ほのさんがごあいさつするけど、
まわりの声で、かきけされる。

荒井さんが、さらさらっとサインをしている間、
「車で来たの?」
とか、色々話しかけてくれる。

ほのさん、じぶんで、おはなししてごらん。

すると、荒井さんが、
「してるよねー。」と。

よかったね、ほのさん。
ほのさんのこえ、ちゃんと、
あらいさんにとどいているみたいよ。

ほのさん、荒井良二さんに会う、の巻。_f0199379_1842179.jpg


そして、荒井さんは、
ほのさんの頭を、ぽんぽんっと、
撫でてくれたよ。

ありがとうございました……

と、荒井さんとお手伝いさんたちにご挨拶して、
荒井さんのところを離れると、
係の方たちが、みんな、立ち上がって、
よかったね、きをつけてね。
と、笑顔でほのさんに話しかけてくれた。

ほのさんも、
とうさんかあさんも、
なんだか夢心地で、
十分にお礼も言えぬまま、
そそくさとエレベ-ターに乗って、
あっという間に、地下駐車場に来ていた。

そしてまた、瞬く間に車に乗り込んだほのさんは……


とうさん、かあさん、
あたし、ほんとうに、あらいさんにあったのかしら?
さいんかいって、あっというまなのね。
あたし、おうせつしつにいた、まちじかんのほうが、
ながかったわ。
ねえ、ねえ、
あたし、ほんとにあらいさんにあったのかしら……

と、言い出した。

それを聞いて、
とうさんもかあさんも、
なんだか、はっとして、
夢心地から覚めて、
みんなで、大笑いした。

そうだね、ほのさん。
あっというまだったね。

もうすこし、びじゅつかんのなかや、
ほてるのなかなんかを、
けんがくしてくればよかったね。

そういって、また、大笑いした。



ほのさんは、あっというまにかえって、
おやつを飲んでいる。

そしたら、いまになって、


やっぱりあたし、
ほんとに、いってきたのね。
ほんものの、あらいさんに、
あってきたのね……

って、言い出した。

ほのさん、あんまりうれしいことって、
そのしゅんかんは、
ゆめごこちになってしまうけど、
あとから、うれしさが、くるものね。

そうね。かあさん。
あたし、とっても、うれしくなってきた。



今日は、朝から荒井マジックにかかって、
家族そろってソワソワ日曜日。

とっても、しあわせ、
日曜日。


荒井さん、
うらわ美術館のみなさん、
ご親切にありがとうございました。


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by honohono1017 | 2010-07-25 18:55 | Event
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