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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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Kおばちゃん、来る

昨日は来客があった。

かあさんのおともだち、Kさん。
会うのは実に5年振り。

5年振りにあってもそんなブランクを一向に感じさせないところが
ともだちっていいな、と思う。

かあさんにとっては、職場の先輩。
今も、とうさんは仕事でいろいろとやりとりがあり、
大変お世話になっている。

Kさんは病院で医療相談員、カチョーさんだ。

かあさんが退職したのが今から6年前。
話をしていると懐かしい名前がたくさん出てきて、
同期や後輩が役付きになったり、
別な部署へ異動になったりしているのも当然だ。

働き続けていて、すごいなあ、と思う。


会わなかった5年間。
Kさんの人生も、かあさんの人生も、
いろんなことがあった。

Kさんも、かあさんと同様、「まじめ」に「クソ」がついてしまう人物。
あんた、それ「ビョーキ」だよ、って、よく言い合うほど。

仕事の内容も人の人生、なかでもドロドロした部分に関ることが多いし、
医療、介護ばかりではなく社会そのものに対しても
きちんとした意見を持った人だ。
(ってこれだけ聞くと、超立派な人みたいだね…うふ)



かあさんは、結構、冷たい人間だ。
これほど大切なともだちの人生に一大事がおきたときも、
とうさんからまた聞きしたり、
Kさんからちょこっと事情を聞いたりはしたが、
自分ひとりで、ほんとーに心配して、
どうしてるか、だいじょうぶなのか、と気を揉みすぎるほど揉むのだが、
結局、自分の人生は本人がどうにかするしかない、
みたいな風に最終的に思っているので、
特に頻繁に連絡したり、会ったり、してこなかった。

そう、なーんにも、してあげられなかった。


ほのさんが産まれたときも、
もちろん事情を連絡したが、
それだけ信頼しているKさんにも、
辛い気持ちを相談したいとか、
とにかく会って話したいとか、
そういうことは望まなかった。

むしろ、かあさんは、
自分がそんな状況では、
大切な人には、
会いたくなかった。

弱った自分を見せたくないとか
格好つけたいのではないのだけど、
その人が自分にとって大切であればあるほど
ダメなんだ。

だから、このKさんとの距離感はとても有難く、
それでも大切に思えるゆうじょーに感謝していた。

のだが。

やっぱり、5年は長かった。

ほのさんの顔、見に行くよ~、と言ってはくれるものの、
お仕事がとても忙しいことも知っているし、
いろんなことがあるから、なかなか来れないのも仕方ない。

だからと言って、じゃ、こっちから行くよ~という身軽さも
かあさんにはない(どーしよーもない)。

だから、正直、、
最近になって、もう二度とKさんとは会えないのかも…
なんて思っていたのだ。



そんな思いでの再会。

だけど、いたってフツー。

そして、少し前だったら、
自分自身は平気なんだけど、
友人を招待するとき、
こんな状況のほのさんをみてどう思うかな、
大丈夫かな…ひかないかな…
みたいなドキドキがあったのだが、
以前、そんな気持ちがあったことすら昨日は忘れちまっていた。


会話が弾むなか、Kさんが、
Oさんと(いまだにkさんは、かあさんのことを旧姓で呼ぶ)、Nさん(とうさんのこと)に
謝らなきゃいけないことがあると言う。

なんだろう。

Kさん曰く、
「ほのちゃんが産まれたときに事情を聞いて、
なんでOさんとNさんがそんな不幸な思いをしなければいけないんだ、
辛い目に合わなければいけないんだ、と
真っ先に思ってしまったんだ。
でも、ほのちゃんがうまれたことは2人にとって決して不幸なことではなくて
ほのちゃんは本当に2人を選んで生まれてきていて、
楽しく幸せに暮らしているんだと知った」
と。


Kさんと話していると、
なぜか憎まれ口ばかりたたいてしまうかあさんだが、
このときばかりは、胸がいっぱいになってしまった。


実際、とうさんとかあさんも、
ほのさんが産まれたばかりのときは、
なんで自分たちがこんな目に合わなければならないんだ、と
世の中の不幸を全部背負ったような気持ちになったこともあった。

だけど、ほのさんが自分が生まれたことを本当に嬉しそうにして
生死をさまようような辛いときに
ホントだったら険しい顔をするはずなのに、
ほのさんはいつも穏やかさんで。

そんなほのさんを見て、
やっぱりかあさんも、自分の考えは間違っていると思った。

ほのさんの誕生は、
すばらしいいのちの誕生、
喜ぶべきはじまり。

素直にそう思うようになってからの、楽しい生活。

自分たち家族は、
ほのさんが多少機械がくっついていて、ちょっと風変わりな姿でも
我が家のど真ん中にいてくれることが、あたりまえで、
このスタイルが我が家のあり方なんだけど。

それが、自分たちだけがそういう風に思っているのではなくて、
大切なともだちの目にも、
ちゃーんと、ほのさんのいる生活が、
とってもあたたかい幸せなものであると映るようになっていったことが
とても嬉しかったんだ。



Kさんは、ほのさんのおでこやらほっぺやら、
モチモチのお腹まで触ってくれた。

嬉しかった。

ほのさんも、
かあさんも。



ほのさんは、目を開いて、キョロキョロ動かして見ていた。

ほのさん、そんなにおばちゃんの顔、見るほどのモンでもないよ。

ほのちゃん、かあさん、ひどいこと言ってるよー。
かあさんの口の悪さ、似ないようにねー。

えー、だってほのさん、そういうこと言いそうな顔、してるでしょ?

…。そうだね。親子…だね。




そういえば、Kさんさあ、
ほのちゃん、OさんとNさんの子って顔してるね~、って言ったけど、
この子、間違いなく、わたしたちの子ですから~。
残念…。 



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by honohono1017 | 2009-09-15 12:12 | Friends
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