ほのさんのバラ色在宅生活 |
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ほのさん生後3日目。
いのちの危機は脱しました、と言われた。 いのちが助かる確率は五分五分、 そのように言われたのに、ほのさんは、助かるほうにはいった。 半分の確立で死んでしまっていtかもしれなかったほのさんが、 頑張って生きる方を選んだのだから、 そんなエライ子なんだから、 障害など残るはずがない。 そんなはずがない。 一旦、いのちが助かったとなると、 いまの今まで、いのちだけは…と願っていたはずなのに、 「障害」という重い二文字がのしかかってきた。 かなり高い確率で、かなり重度の障害が残る… かあさんには「重度の障害」がどのようなものなのか、想像がつかない。 まして、目も見えない、耳も聞こえない、動けない、 眠り姫になろうだなんて…。 あかちゃんができて、男の子がいい?女の子がいい? 「元気なら、健康でありさえずれば、どっちでもいい」 多くの人はそう言う。 いまのほのさんには「健康でありさえすれば…」ということが望めない。 「健康に」生まれてくるということは、当たり前ではなったのだ。 さっきまでは、「いのちさえ、助かれば…」と思っていたはずなのに。 障害が残った娘は、果たして幸せになれるだろうか。 障害が残った娘を、かあさんは愛せるだろうか。 いや、我が子に障害など残るはずがない。 我が子が、そんな目に合うはずがない。 そんな考えばかりが、頭の中をぐるぐる渦巻いていた。 日に日に凹んでいく、自分のお腹が、悲しい。 もう、ほのさんは、かあさんのお腹の中にはいない。 ついこの間まで、かあさんのお腹の中で、元気すぎるほどに動き回っていた ほのさんは、一体どこにいってしまったの? どうしてかあさんのお腹を出たとたん、動かなくなってしまったの。 ほのさんがお腹の中で動き回るあの感覚が、 かあさんの中にははっきりと残っている。 あの、なんともいえない幸せな感覚が。 出産の後の痛みで、まだ起き上がれない。 その痛みは、誇らしいものであるはずだったのに。 いまは、虚しい。 病室の固いベッドに横になったまま、 白い天井をみつめ、 「ほのかー!ほのか-!ほのか-!」 と、大声で呼んだ。 ほのか、かあさんの声、聞こえる? ほのか、かあさんが、わかる? こんなに辛いことになるなら、 せめて、四六時中、ほのさんの傍にいたいのに。 NICUの面会は1日1時間と決められて、 かあさんは、ほのさんの傍にいてあげることすら許されない。 「ほのか」という名前は、 お腹の中で体重がなかなか増えずに、 まだ、入院して安静にしている時に、 とうさんと相談して決めた。 生まれたときに名前がないとかわいそうだし、 お腹に話しかけるときに、はやく名前で呼んであげたくて。 そうすれば、「ああ、わたしはほのかって言うんだな」 「ほのかって名前をつけてくれて、わたしがお腹からでてくるの、 楽しみに待っていてくれるんだな」って思ってくれるかなって。 入院中、かあさんはいつもお腹のほのさんに 「ほのちゃん、ほのちゃん」と話しかけていた。 お腹のなかのほのさんは、まだ本当に赤ちゃんであり、 「ちゃん」と呼ぶのにふさわしく思っていて、 実はかあさんは、生まれるまで一度も「ほのか」と呼んであげたことはなかった。 そうと決めていたわけではないが、 「ほのか」と呼ぶのは、 かあさんの中から出てきてからだろうな、と思っていた。 頑張って出てきてくれた、ご褒美に… それなのに、初めて「ほのか」と呼びかけてあげるのが、 こんな、悲痛な叫びになるなんて。 まして、ほのかに届いているのかすらわからない… 初めて我が子に対面するという、 おそらく人生で一番ステキな場面となるはずの時が、 かあさんが立たされているのは、 真っ暗闇の、先の見えないトンネルの中だった。 果たして、ほのさんは、その中にいるのか。 その先にいるのか。 どこにいるのか。 ポチッとな↓ ![]() にほんブログ村 ![]() にほんブログ村 ![]()
by honohono1017
| 2009-06-27 00:54
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