ほのさんのバラ色在宅生活 |
|
ほのさんは、ミルクを鼻から飲んでいる。いわゆる経鼻栄養ってやつだ。
鼻から胃まで細い管を通して、その管からミルクを注入するのだ。 その管、マーゲンチューブは10日に1回新しいものと入れ替えている。 片方の鼻ばかりに入れているとかわいそうだし、固定するテープなどで肌荒れもするので、左右の鼻に交互に入れていた。 しかし、何ヶ月か前から右の鼻から全く入らなくなってしまった。 最初は鼻の中が炎症などを起こして腫れているのかな、と思っていたがどうやらそうではないらしい。骨格なのだろうか、とにかくチューブが鼻の中を通過してくれない。 それで、もっぱら左の鼻から入れていた。 しばらくして、今度は左から入れても、入って10cmくらいのところでつかえるようになってしまった。 それでも、なんとかして入れるしかない。 だって、ほのさん、それがなきゃミルク飲めないのだ。 これまでは、血がでても、なんとか入った。 だが今回は… どうにもこうにも入らない。 チューブの先に血はついてくるし、ほのさんもちょっと(いや、かなり…だろう)うんざりしてくるし。 だからしょうがない。口から入れることにした。 口から入れると、どこにも引っかかることなく、胃までスルスル。スムーズすぎて怖いくらい。 ただ、見てくれが、慣れない。今まで鼻から出ていたチューブが口から出ているのだ。気になる。 「普段とちがう」ということにヒジョーに敏感なほのさん。大丈夫だろうか… そして口から入れて今日で4日。いつもと違ういでたちに、ヘルパーさんが 「ほのちゃん、大丈夫?お口からで嫌じゃない?気持ち悪くない?お口とお鼻とどっちの方がいい?」としきりに話しかけていた。 それを見ていて、母さんハッとした。 いつも母さん、誰よりもほのさんの気持ちを考えているつもりだった。何をするにも、嫌がらないかな、痛くないかな、こうしたら嬉しいかな… 今回だって、入りにくいのに何度も無理に鼻からいれると痛くて可愛そうだし…でも口だと「いつもと違うから嫌かな…と散々迷った。 だけど、ハッとさせられた。 ほのさんの気持ちを考えているようで、だけど無意識にか、最終的になのか、自分自身のケアのやりやすさ、介護のしやすさを優先してないだろうか…と。 あるいは、あらゆることの決定権は「母さんにある」と思っていないだろうか…と。 フツウの子なら嫌だったり、痛かったりしたら泣いたりわめいたり抵抗するだろう。 それができないほのさん。もちろん、顔を赤くしたり涙をながしたり、しかめっ面をしたりはするが、気持ち的な部分をあらためて考えてみると、常に自分がきちんとわかろうとしいるのか、ちょっと自信がもてなくなった。 そういえば、ほのさんと母さんのやりとりを見た人からよく「母さん、キビシ~」とか「スパルタ~」と言われることを思い出した。 元来、辛口で毒舌、ブラックな母さんであるから、そのことを言われているのならいいのだ。 ほのさんが、超重症児だからといって甘やかしたくない、過保護にしたくないという思いもある。甘やかすも何も、過保護も何も、何にも自分でできないじゃ~ん、と言われてしまうかもしれない。 そりゃそうなんだが、礼儀や作法や、生きていくうえで大切なことをちゃんと教えたい、という気持ちだ。 だけど、ちょっと立ち止まって考えた。 物言わぬ娘の気持ち、自主性、個性… 考えれば考えるほど、物が言えないからこそ、ほのさんがたくさんのことを母さんに言っている気がしてきた。
by honohono1017
| 2009-03-31 19:41
|
以前の記事
カテゴリ
最新のトラックバック
お気に入りブログ
ライフログ
タグ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||