ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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どーんと来い!1年生。

4月8日火曜日 快晴。

ほのさんもかあさんも雨女の我が家だけど、
この日ばかりは、
文字通り「腫れの日」になった。

前の晩もぐっすり寝たほのさんは、
いつもより早起きしなければならなかったけど、
それでもシャキッと目覚め。

ほのさんの入学式には、
白い丸襟のブラウス、濃紺のボレロとジャンバースカート、白いタイツ、
という装いにしてあげたいとずっと思ってきて、
イメージ通りのものを見つけて購入してから1ヶ月以上、
クローゼットにしまうこともなく、ずっと見えるとこにかけて眺めては、
それを身につけて、少し緊張しながらも
これまで見せたことのなかったような、
凛とした表情を浮かべたほのさんの姿を想像しながら過ごしてきた。

とうさんとも、

きっとほのさん、似合うよねえ。

うん、すごく似合うだろうねえ。

と言い合った。


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仕度をおえたほのさんは、
なんだか急に大きくなったように見えた。

肩パッドが入って、袖が少し長いボレロ姿が眩しいほど初々しい。

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とうさんの目にも、それはそれは眩しく映ったようで。

みんなの喜びの笑顔を見て、
ほのさんの表情もだいぶ緩んできた。


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もうすっかり葉桜になってしまっているかと思っていたけど、
車中からは川沿いに咲き誇るたくさんの桜の木々や、
春の訪れを謳歌しているかのような菜の花などをたくさん見ることができ、
その素晴らしい景色が、喜びに拍車をかけた。


学校に到着すると、訪問籍の先生方が駐車場で迎えてくださった。

いつものように、とうさんが車にスロープを設置し、
その間にかあさんが、呼吸器を、車内のシガーソケット電源からバッテリーに切り替えたり、
さまざまな準備を整えていよいよほのさんが「学校」に一歩を踏み出す。

ほのかさん、おはようございます!
がっこうですよ!

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明るく元気な先生方にバギーを押されながら、
ほのさんが学校の玄関を入っていった。
玄関のスロープを上ると受付があり、
その先の廊下には両側に先生方がずらっと並んでいらした。

とうさんとスリッパに履き替えながら、
ほのさんが先生方に話しかけられている様子を見て、
ついにこの日が来たんだなあと、目頭が熱くなった。

かあさんはこれまで学校公開日や説明会などで何度が足を運んでいたが、
今日の学校の風景は、これまでと全く違って見えた。

春休みを終えて、生徒たちの「気配」が活気を生み出していて、
窓や掲示板などあちこちには、
新入生を歓迎する文字やデコレーションがされて華やかで、
そして、はじめて足を踏み入れた、ほのさんやそのほかの新入生たちの、
不安や期待、緊張、初々しさなどが、
確かに学校を彩る風景のひとつになっていて、
立派に生徒の一員になっていくんだなあ、
自然に溶け込んでい行くんだなあ。

緊張して一言も声がでなくなっていたほのさんだけれど、
そうして「学校」に一歩を踏み出した。


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新入生の控室は、給食室だった。

給食の時に生徒たちが使っている、椅子とテーブル、
配膳用だろうか、銀のワゴンや、
かすかに匂う美味しそうな香り、
そんな学校らしさにほのさんが触れていることがたいそう嬉しく、
とうさんと笑った。

待っている間、ずっと先生がほのさんにはなしかけてくださっていたけど、
ほのさんはやっぱり、だんまり。

きょうは、かみをあみこんできたのね、
おかあさんが やってくれたのかな
かわいいね

と先生がおっしゃった時だけ、

うん!

と言っていた(笑)
(キラキラの髪留めは、かあさんとお揃いだよ)


ほのさんとおんなじ、ちっさな小学部の新入生、
それから中学部、高等部のおにいさんおねえさん新入生たちが
ぞくぞくと集まって、
入学式の説明が始まると、
とうさんかあさんの緊張も高まってきた。

こんな緊張感は、はじめてだ。



それから新入生たちはみんな、打ち合わせ通りに家族とともに、
体育館の入り口の外に並んで、入場を待った。

ほのさんの番が近づくにつれ、
体育館の中から在校生たちの声や拍手が聞こえてくる。

壁にぐるっと貼られた紅白の幕や、
正面の檀上の校旗や立派なお花などが見えてくる。

いよいよ、ほのさんの番だ。

家族3人で一歩前に進み、
立ち止まって一礼。

顔を上げると、
対面式のバギーに乗っているほのさんの、意外に冷静なおすまし顔が
目に飛び込んできた。

なんだ、かあさんの方が、緊張しているんだな。

それからとうさんは、左手後方の保護者席へ、
ほのさんとかあさんは、右手前方の新入生席へ進んだ。

小学部9名の新入生のうち、
最後に入場したほのさんとかあさんが席に着くと、
中学部、高等部の新入生たちが入場してくる。

在校生たち、先生方の拍手や声、
「世界にひとつだけの花」のメロディーを奏でるピアノ、
そこにちゃあんとおとなしくいる、ほのさん。
その光景はあまりに感動的で、ちょっと震えた。

式の間じゅう、ほのさんはおとなしくしていたが、
校歌斉唱で、これからほのさんが何年間も歌い続けていく効校歌のメロディー、
みんなの歌声が聞こえてくると、
途中から、小さな声で、
ふーん、ふーん、
と言っていた。

この分だと、校歌もすぐ覚えてしまうかもしれない。

それから、閉式の言葉で、

これで終わります、

と先生がおっしゃると、
ほのさんは、今日一番の声で、

うーん!

と言うので、
隣りにいたかあさんは、ひとり苦笑ってしまったけど、
よし、ほのさんらしさ顕在!
そうも思った。

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ほのさんは、訪問籍を選んだ。

週3回、先生が授業に来てくださる。

そのほか、行事や、調子の良い時には登校して、
1年生のクラスにいれてもらう。

さっそく、運動会や遠足の日程なども配られた。

入学前、かあさん一人が出席した説明会で話を聞いていた時は、
運動会や遠足なんて夢みたいで、
入学式でさえ、ほのさんがそこにいることが
想像できるような、できないような感じだったのに、
ランドセルをバギーにつけて教室にいるほのさんをみたら、
なんだかもう、すっかり1年生のお顔だ。


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ほのさんが生まれてからこの6年間、
思えばこの入学式で、
かあさんは初めてじぶんの気持ち、
親としての気持ちに専念することができていたように思う。

自然と。

これまではいつも、
ほのさん、だいじょうぶかな、
痰がたまっていないかな、
寒くないかな、
どんな気持ちかな、
楽しめているかな……
というようになんだかんだと気にしていて、
そういうことが、自分がどう思っているかなんていうことよりも、
いつも先にあった。

この日も、学校に着くまでは、
そういう感じもあったけど、
ほのさんが学校に一歩を踏み出してからは、
その姿がもう妙に立派で、
この6年間にあった嬉しかったこと、辛かったこと、
あれこれがグッとおしよせてきたり、
なんていうか、親としての深い感慨に浸っていた。

はじめて行く場所で、はじめてみるものに
びっくりしたり、こわかったりすると、
なんだかバギーに潜り込むように、
かあさん、かあさん、ってすり寄ってくるような
そんないつものほのさんとはもう違って、
入学式という雰囲気がそうさせるのか、
戸惑いながらも、ちゃあんと参加していて。

かあさんが、

たん、だいじょうぶ?

って何回も確かめなくても、
苦しくなったり、吸引してほしくなったら、
たとえ出先であっても、ちゃんと自分から言ってくれる、
という安心感も最近は出てきて、
ちょっとくらい我慢させても、
おうちに帰ってゆっくりして、丁寧にケアすれば、
その後、長く体調を崩すこともないという自信もでてきて、
そんなことはこれまででは考えられなかったな。

そう考えると、6年間生きてきたっていうことって、
ほんとうにすごいことなんだなあ、
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
身も心も成長していて、
今日のこの日を迎えたんだなあって。



思えば、ほのさんが生まれたばかりの頃、
かあさんは、この子を「子育て」していけるのだろうか、
という大きな不安に襲われていた。

その頃は、ほのさんの医療的な側面、
最重度と呼ばれる障害、
そういった面ばかりに目が向いてしまっていた。

だが、そういったことは、ほのさんのすべてではない。
問題なのは、理解の無さ、手助けの無さだったのだ。

そして、かつてかあさんが思い浮かべていた「子育て」そのものも、
実際のそれとは違っていた。

親がこどもに一方的に何かを教えたり、与えたりするものではない。

ハッピーな出来事、
辛い経験、
そのことで感じるさまざまな気持ちが、
親と子、家族の間で行ったり来たりすること、
そうするうちに、心が軽くなったり、
ハッピーがどんどん増えていったり、
強くなったり、
時々弱くなったり、
そういうことが、「子育て」なんだろうな。


新しく始まる学校生活で、
はじめて教わること、覚える楽しさ、
おともだちと過ごすこと、一緒になにかすること、
先生との関わり、
悔しいこと、苦手なこと、
そうして帰る、我が家。

ほのさんのみる、世界。


いろんなこと、どーんと来い!

たくましく進め、ピカピカの1年生。
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by honohono1017 | 2014-04-09 18:46 | Event
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