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ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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4年生、感謝の夏。

葉月。

気がついたら、7月が駆け足で通り過ぎていった。

でもその7月、
我が家にとっては、メモリアルな時でもあり。


7月23日、ほのさんは、「おうちの子4年生」に進級したのでした。

4年生、感謝の夏。_f0199379_9531075.jpg


4年前の7月23日も、
それはそれは、とっても暑い日で。

うまれてから9ヶ月間もずっと入院していたほのさんなのに、
はじめて帰った「我が家」でくつろぐ姿、
ほのさんが真ん中にいる「我が家」は、
もう前からずっとそうだったみたいな感じがしたのを、
よーく覚えている。

4年生、感謝の夏。_f0199379_1004475.jpg


今とおなじベッドに大の字になって寛ぐほのさんは、
まだとても小さくて、
ベッドの頭のほうに、ちょこんといる感じだったけど、
今じゃあ、もうかあさんが横に寝ることも難しいほど大きくなって、
その存在感たるや、
さすが4年生。


4年生、感謝の夏。_f0199379_1031572.jpg


先日、自分で作ったうちわを、
自分で持って、
自分の手の動きで、扇いでみる、
という、ほのさんにとってはかなりの荒業にも挑戦。

うちわの柄(え)がかなり重たくてムリかなあ、と思ったけど、
はじめは一緒に支えてあげてた手を放して、
一人で一度、動かすことができると、
ああ、こうやって左右に繰り返し動かすんだな、と
理解するまでも意外と早くて、
そのうち、眉毛を吊り上げて、
必死にあおいでいたよ。

4年前では考えられないことをやってのける、ほのさん。

これからも、たくさんの成長を、
とうさんとかあさんに、見せておくれ。

そして、これからも家族仲良く、
たのしく過ごそうね。




さて、そんな記念日を過ごしてから、
7月の終わりには、
夏の恒例行事、
ほのさんレスパイトに行ってきました。

今回は、4泊5日。

前回、5月にお世話になったときから、
担当の看護師さんを決めてもらった。

入院初日には、訪問看護師Nさんが病院に来てくださって、
主治医A先生、病棟師長さん、副師長さん、担当看護師Kさん、かあさんで、
短時間のカンファレンスを持ち、
おうちでのほのさんの様子、ケアの注意点、
ほのさんの意思表示の仕方、好きな遊びなどを伝えてくださった。

そのカンファレンスの内容や、
いつも持参しているサポートブックをもとに、
担当のKさんが、入院中のほのさんのケアのやり方、タイムスケジュール等を、
ほのさんを受け持つ看護師さんたちに意思統一してくださった。

その結果、ほのさんは入院中も、
おうちでの生活のリズムそのままに過ごすことができ、
これまでいつも入院すると、痰つまりを起こして不調になっていたけど、
体調もうまく保つことができて、
以前に比べて、本当に快適な入院生活を送ることができるようになった。

そのことは、ほのさんの表情ひとつ見れば、すぐにわかる。



そんな経過があって、今回はそれ以来2度目のレスパイト。

ほのさんが、きっといい子に過ごしてくれることはわかっていたけど、
今回は初めて、
用事があってまるまる1日、とうさんもかあさんも会いに行けない日がある、
という、ほのさんにとっても、
とうさんかあさんにとっても、
大きな「試練」があったのだった。

のっぴきならない用事のために、
ほのさんを預かっていただくことはこれからもきっとあるはずだから、
今回はその「はじめて」の訓練だったわけだが。

ほのさんには、もちろん、
レスパイトに行く前の晩から、
いくつ泊まったら帰る日が来るとか、
そのうちの何日目に、
とうさんとかあさんは用事があるから、
その次の日に会いに行くまでがんばっているんだよ、とか、
何度もなんども言って聞かせていた。

担当看護師Kさんにもその旨をお願いして、
本人にも言って聞かせてありますから、と託した。



レスパイト当日、本当なら、とうさんとかあさんとで送っていくはずだったのだが、
その2日前に、とうさんが酷い腰痛でダウンしてしまい、
急遽、ヘルパーさんにお願いして、かあさんと一緒に車に乗り込んだほのさん。

すぐに、サチュレーションがいったりきたりし始めて。

まだ、自宅のマンションが見える辺りのところで、
ほのさんは、サチュレーション74という、
普通では見ない数字をたたき出し、
アラームも鳴りっぱなし。

顔色を見る限り、頬も唇もピンク色、
表情も悪くないから、
どう見ても「74」の顔ではない。

だけど、「74」というのも、あまりにも低い数字で、
さすがにかあさんも不安になって、
車を停めて、ほのさんのバギーの寝袋をはがし、
聴診してみると、
案の定、フワーッと肺の下のほうまで、よーくエアーがいきわたっている……。

念のため吸引もしてみるけど、
詰まっている様子もない。

気になるところを全部点検して出発すると、
暑いのと、焦ったのとで、いろんな汗でドロドロなかあさんをよそに、
ほのさんは、相変わらず涼しげな表情で……。

そのうち、ご機嫌なおしゃべりすらはじまるという。。



そんな事件もありながら、病棟につくと、
担当のKさんや、看護師さんたちが迎えてくれて、
ほのさんはちゃんと挨拶するかしらんと見ていたら、
案の定、先ほどまでのおしゃべりはピタリと止まり、
なんだか固まっていた……。

ほのさんのキャラをわかってくれている看護師さんたちに、

ほのちゃん、きんちょうしちゃったのー。
おへんじしてよー。

と、笑われてしまった。



病室の壁紙が「ニモ」柄になっていて、
なんだか楽しげな感じ。

ほのさんのベッドは窓際で、
夏らしい雲が浮かぶ空が良く見える。

ほのさんの足元にラジカセを置いてくれて、
そこから流れるオルゴールの音楽がとても心地よく、
モニターの音などもかき消されて、
なんだかこれまでと同じ病室とは思えないほどだった。

そして、保育士さんがきてくれて、
ほのさんは、こおろぎの鳴き声が鳴る絵本を読み聞かせしてもらったよ。


いくら、レスパイトとはいえ、
ほのさんにとってそこは「病院」。

ほのさんがお世話になる病室は、
子どもたちが搬送されてくるようなお部屋で、
「治療」がメインである病院の中で、
看護師さんたちもとても忙しいのに、

「ほのちゃんがとまりにきた」と言って、
少しでもほのさんが心地よく、
そして「楽しみ」があるようにと、
いろいろ考えてくださっていたことが、
かあさんは本当にほんとうに、涙が出るほど嬉しかった。

環境の変化に敏感なほのさん、
なんだかキレイな優しい音楽が流れていて、
みんなが「ほのちゃん」と声を掛けてくれて、
大好きな絵本まで読んでくれる!

ここは「おうち」ではないけど、
ここでも「たのしいこと」がある、
そう思ったに違いない。

ほのさんの表情が柔らかく、優しいのも、
担当看護師のKさんをはじめ、
病棟のみなさんの気遣いのおかげだ。



これまでにはないほどの心地よい環境で、
ほのさんが穏やかに過ごしている様子をみて、
とうさんかあさんは、安心して、用事を済ませることができ、
2日ぶりに面会にいくと、
ほのさんは相変わらず柔らかな表情で、
きもち、ふくれっ面、くらいで済んで、笑ってしまった。


いよいよおうちへ帰る朝。

お迎えに行くと、ほのさんが顔に汗をかいている。

看護師さんに聞くと、
たったいま、おしっことうんちを踏ん張ったので、
とおっしゃるので、すぐに引くだろうと思っていたけど、
荷物をまとめて退院の準備をしている間じゅう、
汗は吹き出ていっこうに引かない。

気になるところを全部確認したけど、
どこにもなんにも異常はなく。

看護師さんたちにお礼を言って、
ほのさんは、おうちに帰りたいけど、
でもなんだかみんなとおわかれするのも、なごりおしい、
みたいな感じで、
あたたかく送り出していただいた。

車の中でもしきりに汗をかいていて、
おうちについて、ゆっくりとケアをしても汗はひかず。

結局、一晩中、じっとりとしていて、
顔だけではなくて、脇の下や腿、
普段は絶対に汗ばんだりはしないお腹などもじっとり、
下着が湿るほど。

痛いとか苦しいとかそういうこともなさそうだから、
そのまま様子を見ていたら、
翌日の午後には、さらさらに乾き、
いつもの涼しげなほのさんに戻っていた。


「楽しみ」もあり、心地よく過ごすことのできたレスパイトだけど、
ほのさん的には、きっとやっぱりものすごく頑張っていたので、
もうおうちへかえれる!
と思ったら、張り詰めていたものが緩んで、
汗をかいてしまったのかもしれない。

こういうほのさんの様子は、
おうちにずっといたら決して見られるものではなくて、
親の手元から離す経験をさせて、
はじめてわかるものだ。

レスパイトは、家族の休息などの意味も大きいけど、
ほぼずっとかあさんと過ごしているほのさんにとって、
「ひとりでおとまりする経験」は、
ものすごくほのさんを大きく成長させてくれて、
いつも帰ってくるとそのことを感じられて、
そういう意味でも、本当に貴重な場なのだ。

「自分が倒れたら一環の終わり」というような、
ある意味「綱渡り的」な生活の中で、
そんなことがあってはならないけれど、
それでも、何かの時には「あそこがある」、
と思える場所があるという「安心」は、
在宅生活をしている身にとって、
どれだけ気が楽になるだろうか。



「病院」という場所で預かってもらうことへの後ろめたさもありつつ、
おしっこをしたいのにしてもらえなくて冷や汗をかくとか、
痰がとってもらえなくて詰まって肺がわるくなるとか、
生理的に辛いこと、いのちにかかわるような不調になってしまうことが重なり、
これは本人が耐えなければならないことなのか、
それに耐えることを強いなければ、預かってはもらえないものなのか、
そんな苦しい思いをさせてまで預ける必要はないけれど、
具合が悪くて入院しても、同じような状態であるのはなんとかしなければとか、
もうとにかく、この4年間、ずっと悩んできた。

せめて、預けた日の体調をキープして欲しい、という願いだったのだが、
いろいろ準備して覚悟もして、協力していただき、
病院に真剣に相談して、検討していただき、
それから2度目のレスパイトで、
ほのさんの「たのしみ」まで作ってくださるなんて、
本当になんというか、夢見たいだ。

ほのさんのような子のレスパイト先が、
治療の場である「病院」しか、
いまのところないということは、考えなければならない問題だ。

それでも、病棟の方たちが、
レスパイトの意味を考えてくださって、

そして何より、
「ほのさん」という一人のこどもと、
ちゃんと向き合ってくださるようになったことが、
ほんとうに嬉しくてうれしくて、
心から感謝している。



24時間×365日の大半を一緒に過ごしている、我が子。

その生活は、幸せに満ち溢れているけど、
大変なこともある。

そのうちの何日か、
こんな風に、娘を大切に扱ってもらえると、
この子のいのちが本当に大切で、
かあさんは親として、これまで以上に一層、
愛情を注ぎ、育んでいこうと、力が湧く。




4年生の夏、
感謝の、夏。



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by honohono1017 | 2012-08-03 12:16 | Life
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