ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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あてもなく、祈ってみる。

「だんだん」なんかもしれないけれど、
気付くと「急に」感じる。



昼間は気温が上がっても、
夜の風は、秋そのもの。

偏頭痛にやられて、
早々と寝室で横になった昨晩。

北向きの窓からは、
ザアザアと降る雨の音とともに、
肌寒いほどの風が入ってきた。

ああ、このまま寝たら完全に風邪引くな……
と思いながらも、
窓を閉めるために、なかなか起き上がれない。

一雨ごとに、秋が深まるんだろうな、などと思いながら、
無心に雨の音に聞き入っていると、
ふわっと「雨の匂い」がしてきた。

「雨の匂い」。
その正体がなんなのか、いまだにわからないけど、
雨が落ちてくる少し前にその匂いがしてきたり、
湿気を帯びた緑の匂いなのか、土の匂いなのか、
とにかく小さな頃から、
「雨の匂い」には敏感だ。

そして、匂いや音は、
不思議と「記憶」を運んでくる。

不意に。

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秋の気配が運んでくる記憶は、
ほのさんが、お腹の中にいた頃の、
それはそれは、幸せな、記憶。

妊娠がわかってから間もなく、
暑いあつい夏の終わりまで、
かあさんは、お腹の中のほのさんと、
ずっと病院のベッドの上で、
毎日白い天井と、
窓から見える栗の木を眺めていた。

そして、
秋の風に変わる頃、
ようやく我が家に帰ることができて、
ほのさんが生まれるまでの間、
わずかではあったけれど穏やかな時間を過ごしたのだ。

昼間はまだ暑くて、
お腹をポンポンしながら、

あついね、あついね、

と話しかけて、

夕方になると、

かぜがすずしくなってきたから、
おさんぽにでかけようか、
ほのちゃん。

と言って、何とはなしに、
家の近所をのんびり歩いた。

すっかりあきのくもになったね。

と言って、
綿のように薄く伸びた雲を見上げた。

そしてお腹の中の「ほのちゃん」は、
かあさんの呼びかけに、
不思議といつも、
お腹をポーンと蹴って、
こたえてくれた。



そんな果てしなく幸せな記憶が、
不意に蘇った晩。

静かに、
とめどなく涙が溢れてしまった。

悲しいのではない。

リビングからは、
ほのさんの音、
モニターの音と一緒に、
ほのさんの声がかすかに聞こえてくる。

もう、4年前の、
秋の、はなし。

それでも、「ほのちゃん」が、
かあさんのお腹の中でぐるんとうねる感じは、
ぺたんこになった今のお腹でも、
しっかりと覚えている。

あんなによく、
元気よく、
動き回っていたのは、
お腹から出てきたら、
思い通りに動くことができなくなると、
ひょっとしたら知っていたからなのかな、とか。

強がりではなく、
かあさんは、今のほのさんが大好きだし、
動いてくれればいいのに、
なんて、
一度だって思ったことはないのに、
どうして秋の風に、涙するの、
と、自分に問うてみたり。

いろんな思いがポッと浮かんでは消え、
浮かんでは消え、

結局、涙が、
何もかも流していった。



残ったのは、
少しの寂しさと、
どことなく温かくて、やわらかい感じ。



そうしてまた、
朝が、来た。

いつもどおりの、朝が。

こうやって日々が、
いつまでも続きますようにと、
神さまではなくて、
あてもなく、祈ってみる。

八月の、おわり。





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by honohono1017 | 2011-08-31 11:13 | Life
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