ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

重篤な疾患を持つ子供の治療方針決定のあり方」について

弥生。

月日の経つのは、本当に早い。

もう少しで新年度がはじまる。
また、生活も変わる。

今月は、学生さんたちもやってくるし、
いろいろな仕事も入っている。
楽しいイベントもある。

なんとか、芽吹きに負けないように、
乗り切りたい。


先日、2月25日(日)に開かれた、
日本小児科学会倫理委員会公開フォーラム、
「重篤な疾患を持つ子供の治療方針決定のあり方-話し合いのガイドラインの提案」。

ほんとうに参加したかったが叶わず、
色々なところでその報告を読ませてもらった。

「ガイドライン(案)」そのものをざっと読んで、
気になるところを抜粋してみた。
以下。

【基本方針】

「子どもの終末期を定義したり、また、生命維持に必要な治療の差し控えや中止の基準は定めず、
機械的に答えを導き出せるものとはしないこと」


「小児医療の現場では、治療方針の決定にあたり、子ども・父母(保護者)と
関係する多くの医療スタッフが、子どもの最善の利益について、
真摯に話し合い、それぞれの価値観や思いを共有して支え合い、
パートナーシップを確立していくプロセスが最も重視されるべきであること」


【基本精神】

父母(保護者)や医療スタッフの利益ではなく、
子どもの利益を最優先させることを父母(保護者)と医療スタッフが確認する。

子どもは、発達段階に応じてわかりやすく説明を受け、
治療のあり方に関して自分の気持ちや意見を自由に表出することができる。



【生命維持治療の差し控えや中止の検討】
(1)父母(保護者)または医療スタッフなどの関係者は、
子どもの最善の利益に適うと考えられる場合には、
生命維持治療の差し控えや中止を提案することができる。
生命維持治療の差し控えや中止を決定した場合は、それが子どもの最善の利益であると判断し
た根拠を、父母(保護者)との話し合いの経過と内容とともに診療録に記載する。
さらには決定事項を明記した文書に父母(保護者)を含めた関係者全員が署名する。



このあと、「生命にかかわる治療を差し控えるかあるいは中止するか検討する事態発生」
した時に使用するフローチャート、チェックリスト、と続く。


今回のフォーラムに参加していないため、
このガイドライン案をめぐってどんな議論がなされたのかわからないが、
小児医療の進歩によって、たくさんのいのちが救われながらも、
いまなお限界があり、医療の現場において、
「重篤な疾患を持つ子ども」についてさまざまな葛藤が生じていることは事実で、
医療者サイドにしてみればある一定の取り決めが必要であることも理解できるが、
ひとつの「大切ないのち」に対して、
フローチャートやチェックリストが作成されるような流れは、
正直、心が苦しい。


子どもの終末期を定義したり、
生命維持に必要な治療の差し控えや中止の基準は定められなかったことは、
ひとつ、救いであるとして、
だがそれは、
例えばほのさんが、
ほのさんの病院では、ほのさんに対する治療の中止や差し控え、
ということは考えられなかったが、
ひょっとして違う病院にお世話になっていたら、
そこでは、このフローチャートが登場していたかもしれない、
ということなのだろうか。


基本方針には、
「小児医療の現場では、治療方針の決定にあたり、子ども・父母(保護者)と
関係する多くの医療スタッフが、子どもの最善の利益について、
真摯に話し合い、それぞれの価値観や思いを共有して支え合い、
パートナーシップを確立していくプロセスが最も重視されるべきであること」
と、さらっと書かれている。

内容は、とてもすばらしい。

だが、「子どもの最善の利益」とはなにか。

医療者と家族が、真摯に話し合う場が、
現在の医療の場面において、十分にあるのか。

それぞれの価値観や思いを「共有」することは、
こどもが「重篤」な場面において、可能なことか。

「パートナーシップを確立していくプロセス」を、
具体的には、どう持つのか。

この基本方針が大前提となってのチェックシートであると思うのだが、
実は、その「大前提」を実現することが
いまの医療の現場では、なによりも難しいのではないだろうか。

自らの体験を振り返ってみれば、
出産の場面に起こった突然の事態であったから、
かあさんに最初に起きた感情は、
「医療」への不信。
もっと言えば、そこにいた「医療者」への「不信感」であった。

そのような感情が心の中に合ったことを、
医療者に告げなければ、
医療者は、家族の本当の心のうちを知ることはできないし、
その時点ですれ違っていれば、
そもそもパートナーシップを確立することなどできない。

いくら、「話し合い」を持っても、
それは、家族の「医療者に見せる」ある一部分の顔かもしれないのだ。

自分たち家族が何気なく言ったことばや、
面会時にみせた何気ない態度などが、
のちのち振り返れば、
ほのさんの大切な治療方針を決める要因になっていたりということも多かった。

そのような、人間として、親として「素」の部分を見せられる
医療者との出会いは、本当にかけがえがない。

その出会いがあったからこそ、
自分では気付いていなかった本当の気持ちが溢れてきたり、
希望が持てたり、
そのことによって、
一番大事なことは、「こどものきもち」なんだと、心底気付き、
「自分の辛さ」から抜け出して、
「こどものこえ」に耳を傾けることができるようになるのだ。

そのプロセスを、
「かけがえのない出会い」という抽象的なことではなくて、
どの病院においても、
どの医療者においても、
どの家族においても可能なものにするための方法、
それを、みんなで考えなければならないのではないだろうか。

医療の場面において、
そのプロセスをふむことが、
どれだけ難しいことであるのか、
「それぞれの価値や思いを共有する」ことが、
どれだけ難しいことであるのかを、
まず、認識したい。



次に、【基本精神】にある、
「子どもの利益を最優先させること」である。

「子どもの利益」とは、何か。

そして、
「子どもは、発達段階に応じてわかりやすく説明を受け、
治療のあり方に関して自分の気持ちや意見を自由に表出することができる。」
と、ある。

生まれたばかりの赤ちゃんや、
ほのさんのように、自分の気持ちや意見を自由に表出できない子どもは、
どうか。
あるいは、そのような子たちに対しても、
医療者は、同じように
「気持ちや心」がある子どもとして、尊重しているだろうか。

子どもは、親の所有物ではない。

ここに書かれているように、「子どもの利益」が最優先されるべきだ。

だが、その最優先されるべき子どもの意志がわからないときは、
どうすることが、「子どもの利益」なのか。
非常に難しい問題である。

何かを決めるとき、
治療方針などという大きなことではなくても、
例えばケアの仕方ひとつをとっても、
「これはほのさんのため、ではなくて、
自分の作業の効率のため」なのではないか、
という苦悩が伴うことも多かった。

どこまで子どものことを考えて、
それに加えて、世話をする自分や生活のことを考えるのか、
そういった、言葉にはしにくい、気持ちの折り合いをつけること、
あるいは、どちらも尊重できていると感じられるようになるのは、
「病気・障害を持ったこども」の存在をきちんと受け入れ、受け止め、
愛することができるようになってからのことであると思う。

今後の治療方針を決めなければならないという、
親にとってもっとも辛いときに、
「こどもの利益」を最も考えられるはずの親が、
もっとも考えることが「辛い」状況にあるということも
医療者は考えておかなければならないと思う。


'Shared decision making’(意思決定を共同で行うこと)については、

『「本来子どものことをもっともよく知っているのは親」で、
一方、「医療のことをもっともよく知っているのは医療者」である。

この両者が情報を共有し、意見をすり合わせて、
子どもにとっての最善の
利益を追求するのが医療である』

というような、単純な足し算ではないと思う。

もちろん、こどものことを一番よく知っているのは親であるが、
親であると言う理由において、
こどものいのちを思うままにしていいはずはなく、
特に、意思表示の難しい子どもの場合において、
「こどもの利益」が何なのかということは、
「いのちの尊厳」という意味において慎重に考えられなければならないと思う。



これだけのことを書いてきたら、
そのあとに続く、チェックシートについて意見することは
必要ないように思われた。

日常の医療の場面においても、
医療者と、患者家族の立場として接するときに、
ちょっとしたすれ違いや、行き違いは茶飯事である。

また、それが「すれ違っている」と意識されないことも多い。

それでも、「治療」はすすんでいくことも多いのだ。

そんな「医療」において、
「こども」をどう守っていくか、
なお一層、考えていかなくてはならない。

今回のフォーラムが「公開」というかたちで開催されたことは、
非常にすばらしいことだったと思う。

今後も、このような「共有」の場が増えていくことを望む。


読んでくれてありがとう。
ポチッとな↓ も、お願い!
にほんブログ村 子育てブログ 障がい児育児へ
にほんブログ村

にほんブログ村 介護ブログ 障がい者福祉・介護へ
にほんブログ村

このブログ「ほのさんのバラ色在宅生活」が
本になりました♪
「ほのさんのいのちを知って」
絶賛発売中☆
紀伊国屋書店
TSUTAYA ONLINE
eb!STORE

アマゾンでも入荷したみたい。送料無料ですので、ぜひ。
↓  ↓  ↓  ↓
アマゾンで「ほの本」購入
[PR]
by honohono1017 | 2011-03-01 12:53 | News/Report
<< きっとわかってくれるようにと願... ほのさんもかあさんも、有意義な... >>


以前の記事
カテゴリ
最新のトラックバック
お気に入りブログ
ライフログ
タグ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧