ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
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在宅療養者の医療材料提供について  その2

このような研究をみつけた。

「当院における在宅療養者への医療材料提供の実態と課題に関する研究」
秋田大学医学部保健学科紀要14(2):38-46、2006


ほのさんの病院の、医療材料提供に関する変更を前に、
色々と参考になることが調査されていたので、
簡単に整理しておこうと思う。

以下。

<最近の病院の医療材料提供に関するシステム主流>

SPD(Supply Processing &Distribution:病院内物流センター機能)
医療最良使用(消費)に基づく医療材料補充を原則として、
☆診療報酬請求の漏れを防ぐ
☆医療材料費の無駄をなくす

SPDの効率稼動のためには……
SPDの担当者だけではなく、会計担当者、
患者への直接医療材料を提供する医師や看護師それぞれが、
患者ニーズと帆k年t年数を十分理解すること、
診療報酬請求にズレや医療材料提供に過不足が無いようにする必要。


しかし……
SPD⇒経済上の効果、効率化 ≠ 療養者の安全・安心な提供
という問題点。


<調査の目的>
当院で医療材料提供を受けている療養者に対し、
アンケート調査を行い、
医療材料提供の実態と今後の課題を明確化。
今後の在宅療養支援の一環としてより良いサービス提供の指標とする。

<医療材料提供の問題点>
管理上の問題点
①診療科毎に異なった様式の請求伝票を用いている
②医療材料名も統一して使用していない
③提供量も対応する医療者によってまちまち

原因は……
①在宅療養に対する医療者の認識不足
②SPD、会計担当者との連携が十分でない

療養上の問題
①退院時の指導が、入院時とほぼ同じの手技、消毒方法である
②在宅療養に見合った指導がなされていない
③経済面への配慮も不足


<医療材料提供内容について>
☆今回の調査において、
指導管理料の5割が医療材料の経費として利用可能
実際利用している医療材料の金額は全体の3割

ほとんどの対象が利用金額内でおさまっている

☆利用可能金額をオーバーする理由
①医療処置が頻回である
②単価の高い医療材料を使用している
③医療機器賃貸料が高い
④過剰な医療材料提供が考えられる

⇒本来、①②③のために、
診療報酬上「特別加算」があり、
使用する医療材料に見合った点数が加算される仕組みになっている


<提供医療材料の「標準化」という考え方>
☆「ばらつき」を無くしたい病院
「ばらつき」とは……
①一人当たりの利用平均数にばらつきがある
②療養者の状態によって、種類・サイズ・規格が異なる
③同じ使用目的でも単価高×少量、単価安×多量の場合がある

これらの「ばらつき」を無くし、
提供医療材料の定額制、
業務の簡素化を図るため、
「指導管理料」に基づいた提供医療材料の標準化
への取り組みが。

例えば。
「在宅人工呼吸指導管理料」を算定している人は、
吸引のカテーテル、アルコール綿などの医療材料の、
種類、量などのセットを作って、
どの人にも同じセットを提供する。

しかし……。

療養者との面接を重ねていくうちに、
複雑な医療処置を要する場合が多く、
個別性を考慮すると必ずしも適切でないことが明らかとなり、
「標準化」導入には至らなかった。

管理、経営上の観点のみで、
利用率の少ない医療材料を代替品へ交換、
同じ材料でも安価なものへ変換、といった方策をとるのは、
療養者にとって必ずしも有益とは限らない。


そこで。

地域連携看護師が、療養者個々の医療材料・医療処置に関する情報を集約
⇒SPD,会計担当者を含む各職員と共有することで、
療養者の状況と必要な医療材料関連について共通認識することができた。

つまり。

療養者の個別性にあわせた医療材料選択と、
管理・経営上の方策の両方を考慮した、
医療材料提供を行うことが可能。



<医療材料提供システムと今後の課題>

医療材料提供についての説明を受けた者は、
全体の8割以上であったが、
「提供される医療材料の数量と料金」
「診療報酬と医療材料提供の仕組み」については、
半数を下回っていた。

☆療養者自身が診療報酬や提供の仕組みを理解した上で、
必要な医療材料の内容、数量を決定することが重要

☆療養者のため、と限りなく提供するのではなく、
在宅での療養状態や環境に合わせた医療処置を適切に指導する必要。



以上。




ほのさんが退院の準備をしている時、
在宅で必要と思われる医療材料を、
かあさんは、リストアップして
病院に提出した。
医療材料の種類、数とも、
ほぼ希望通りだったが、
院内で使用していた、口腔ケアに使う、
滅菌綿棒だけは、どうしても認められなった。

ほのさんに提供される医療材料は、
おそらく点数の範囲内であるから、
どうしてもその滅菌綿棒を提供して欲しい、と頼んだが、
「口腔内にトラブルがあるため、
滅菌綿棒で1日何回口腔ケアをしなさい」というような
医師の支持があるわけではないので、
提供するわけには行かない、
点数の範囲内だからと言って、
なんでも希望するものが提供されるわけではない、
といった旨の説明を受けた。

かあさんは、なんとなく腑に落ちなかったので、
それでは、各医療材料の単価を示して欲しい、と
要求したが、
それは公表するものではないといわれた。


結局。
在宅生活をはじめてみれば、
ほのさんの口腔ケアに「滅菌」の綿棒が必要でないことは
すぐにわかったし、
歯がはえてくれば、歯ブラシを使う…というように、
成長に伴って、使用する医療材料も変化していく、
ということを経験から理解した。

それならば。

あの、退院準備の議論のときに、
院内と在宅では、「清潔」「不清潔」の考え方が違う、とか、
みんさんはこういったものを利用して、ケアしてます、
などというアドバイスをもらうことができたなら、
滅菌綿棒にこだわって要求することなどなかっただろうと思う。

それでは、
各医療材料の単価については、公表するものではない、
ということは、どうか。

今回の、医療材料提供の変更をきっかけに、
実際にほのさんの医療費が毎月どれくらいかかっているのかを
知るきっかけになったし、
これだけ高額の医療費がかかっているにもかかわらず、
公費負担があるおかげで、
楽しい在宅生活が可能であることを知れば、
有難いこと、なおさらである。

そして、無駄な医療材料の提供を受けることは、
避けなければならないことであると良くわかる。

これらのことをきちんと理解するには、
きちんとした情報の公開が、必ず必要だろう。

きちんとした情報の公開ナシに、
「標準化」します、と言われたならば、
結局は、病院の経営重視なのか……と思わざるをえない。


ほのさんの病院の医療材料提供の変更は、
4月から実施されるものであり、
それまでは「移行」の時期として、試してみて、
十分話し合いながら検討したい、との説明を受けているので、
かあさんの懸念は無用のものかもしれないが。



医療材料の提供の違いによって、
在宅生活を選択することができない理由になってしまうのは、
本当に悲しいことだ。

そのようなことがあってはならないが、
この問題は、経済的な面だけのことではない。

日々、ほのさんのケアでめいっぱいな毎日の中で、
医療材料のことでアタマを悩ますことは、
実は大きなストレスとなる。

ほのさんは24時間サチュレーションモニターをつけている。

そのサチュレーションを測る、
指に巻く部品「プローブ」は、月2本提供されている。

だが、これが、足りなくなる月があるのだ。

人工呼吸器をつけていて、
まして、自発呼吸が全く無いほのさん。

「足りなくなった」と連絡すれば手配してはくれるのだが、
このプローブが夜中に機能しなくなれば、
24時間対応とはいえ、必然的に手元に届くまで時間がかかる。

何時間かかるかわからない、不安。

大丈夫、とはわかっていても、
届くまでの間、絶えず顔色を見て、
胸がきちんと上がっているか確かめ、
時々、聴診する……。

眠れない。

やっと、届く。

そして、ほのさんとの日々がまた続く。

医療材料が「必要十分」であることの、意味の大きさ。

今月も、また足りなくなったらどうしよう……
そんな不安をかかえながら、在宅療養をすることは、
世話をするものにとって、本当に負担名ものなのだ。



医療材料の提供に関することにとどまらず、
ほのさんの医療に関わる全てのことに関して、
医療者と協力して、
お互いにきちんとした理解をもって、
進んでいけることを、心から願う。


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by honohono1017 | 2010-02-20 22:54 | Hospital
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