人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ほのさんのバラ色在宅生活


低酸素脳症、人工呼吸器をつけた娘とのナナコロビヤオキ的泣き笑いのバラ色在宅ライフ
by honohono1017
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

東京大学講義を聞いて考えたこと その1

東京大学講義を聞いて考えたこと その1_f0199379_10574927.jpg

まだまだ、クリスマスプレゼントが届く、ほのさん。

よねってぃーおじさん、ありがとう。


さて、今年やり残したことのひとつ。

先週の今日、
東京大学の自主ゼミ、
「日本の医療の光と影~医療と福祉の現場から考える現代社会」
で学ぶ学生さんの、
実際の講義に出席させていただいた。

そのときのことを、書いておかなければ。

講義は、東京海洋大学生命倫理の教授、
小松美彦先生の、
「臓器移植法改定の本質を考える」
というもの。

小松先生のことは以前から存じ上げていた。
臓器移植に対して反対の立場をとられている。

著書「脳死・臓器移植の本当の話」や、
「世界」に掲載された「A案の本質とは何か」などを読んで、
勉強させてもらっていた。

本ではなく、先生から直接、生の言葉を聴けるとあって、
とても楽しみにしていた。

だが、その一方で、
気が重い、というのも正直なところであった。

なぜなら、とても重いテーマであること、
ほのさんの母として、どのように聴けばいいのか…ということ

それに、来月出版する本の中身で、
臓器移植に関する部分がかなりあるのだが、
その表現の仕方をどうするか、
ちょうど、最終的に考えなければならない段階であったこともあり、
自分がいったい
「何立場」なのか、
全くわからなくなってしまっていて、
まさに、
混乱していたときだった。

 

以前から、一緒に行こう、と約束していた、
ノンちゃんのママ。

その1週間ほど前に、突然、
ノンちゃんがお空に旅立ってしまって、
ノンちゃんママとの「はじめまして」は、
考えていたものとは違ったが、
それでもこうして、お会いできたことはきっと、
ノンちゃんが導いてくれたものに違いないと強く思った。



東大の駒場校舎は、はじめて訪れた。

本郷もとてもいい雰囲気だが、
駒場は、渋谷にとても近いのに、
自然に囲まれた、とても良い環境の学び舎だった。

大学のキャンパスという、懐かしい空気。
目の輝いた、学生たち。

今さらながら、もっと勉強しておけば……という後悔と共に、
今まさに、学びの環境にいる学生たち、うらやましく思った。

「学ぶこと」は本来、いつ、どこにいても出来ることだろう。

だが、かあさんの今の環境では、
学ぼうと思ったら、
時間的にも精神的な面でも、
努力が必要だ。

だから、ご縁があって、
「ぜひ聴きたい!」と思う講義に出席させていただけるなんて、
本当に、有難いことだ。



さて、自主ゼミの学生たちは、
10人足らずであっただろうか。

(意外にも)とってもダンディーな小松先生を囲んで、
授業が始まった。

小松先生は、まず、
「脳死者はいろんな意味で、生きている。
脳死者を死んでいることにして、その人の臓器を取り出して
別な人の体に移植することには反対である」
と前置きされ、
授業は、批判的検証もあるが、
全体を通して「批判」をするということよりも、
「影」を見ていくものであるとされた。

まず、流れたのは、とても衝撃的な映像であった。

アラン・レネ「夜と霧」。
第二次世界大戦のナチによるユダヤ人虐殺を告発したドキュメンタリーである。

アウシュビッツでの虐殺や人体実験、死体の山。
思わず目を伏せたくなる映像が、
非常に淡々と流れ、
俄かに、これが史実であるとは信じられなかった。

だが、その中に、人間の残虐性と、愚かさを見た。



そして。
脳死状態とは、どういう状態なのか、
植物状態との違いや、
なぜ「脳死」という状態が注目されるようになったか、など
基本的事項の説明があった。

その後、また、印象的な映像を見た。

98年のもので、
アメリカでの渡航移植を望む子の母が、
まだ「臓器移植」というものが世間的にもよく知られていない中、
街頭で募金活動をしている、というもの。

募金箱を抱えて、我が子を助けてください!と大声で訴える母親。

誰一人振り向かない。

自分の訴えが届かないこと、
あるいは、多額の費用を集めて、渡航移植を受けなければ
助からないといわれた娘のいのちを嘆いてか、
「娘が死んじゃうんです!」と
街頭のアスファルトに崩れ落ち、
なりふり構わず泣き叫んだ。


その母親の姿を見て、
かあさんも、
隣りにいたノンちゃんのママも、
涙がこぼれ落ちた……
とても、複雑な、思いで。


つづく。


ポチッとな↓
にほんブログ村 子育てブログ 障がい児育児へ
にほんブログ村

にほんブログ村 介護ブログ 障がい者福祉・介護へ
にほんブログ村
by honohono1017 | 2009-12-29 11:57 | Event
<< 東京大学講義を聴いて考えたこと... タイトル、発売日、決定!! >>


以前の記事
カテゴリ
最新のトラックバック
お気に入りブログ
ライフログ
タグ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧